プロストの視点から・・・。
★★★★★
語りつくされた感があるテーマ「セナvsプロスト」ですが、本書は著者が2008年に
行ったプロスト本人へのインタビューを柱に構成されています。セナはいませんので、当然
プロストから見た「セナvsプロスト」になるわけですが、そう言う意味でこれまで多く
出版されてきたセナ本とは趣が若干異なります。G.ヴィルヌーヴとピローニの確執を間近
で見、その結果二人がどうなったか。マクラーレンで同じようにチームメイトに「裏切られ」
たプロストの心情。
マクラーレンでのライバル関係には伏線があり、ルノー→マクラーレン→フェラーリ→
ウィリアムスとチームを渡り行く過程で、プロストのドライバーとしての心理の変遷と
重ね合わせて(と言うか切っても切れないわけですが)彼がセナをどう見ていたかが克明に
綴られます。
Richard Williamsの名著「The Death of Ayrton Senna」に劣らぬ快著。一気に読みました。