真っ黒なレコードジャケット
★★★★☆
実のところ、頭脳警察は、このアルバムしか聴いたことがありません。 しかし、パンタという人物の存在感は、10代の頃の私に鮮烈に残りつづけました。 LP盤は見開き仕様でしたが、全面真っ黒なジャケットで、外側の面に白文字の歌詞が整然と並び、内側に本来のアルバムの表紙であるタイトルとバンド名が載っていました。 とにかく、既成概念に挑戦するという姿勢がジャケットからも伝わりました。 内容は、1曲目からギターの不協和音とともに始まりますが、パンタの反抗心を裏づけする歌詞とともに、いきなり聴く者を引き込みます。 個人的には、9曲目の旋律の美しさに心奪われ、ツゴイネルワイゼン的な芸術性と、文学的な暗さが、青春時代のおどろおどろした心情に見事合っていたのを思い出します。 のうてんきにラヴソングを歌っている気持ちじゃない時には、このアルバムは心に染み入ると思います。 他のアルバムを知らないので、今回は星4つにとりあえずしました。