ホロヴィッツ編の「カルメン変奏曲」ではじまるこのアルバム、星6つ、7つあげてもいいくらい充実した内容である。他にもホロヴィッツ編の「ハンガリー狂詩曲第2番」やシフラ編の「熊蜂の飛行」、ヴォロドス編の「トルコ行進曲」など、超絶技巧マニアにとってはよだれの出るような曲目が並び、超パワフルな演奏を聴かせてくれる。
個人的に気に入ってしまったのが、フェインベルク編の2曲(バッハ=フェインベルクのラルゴとチャイコフスキー=フェインベルクのスケルツォ)。フェインベルクはややマイナーなコンポーザーピアニストだが、この人の編曲作品は本当によく出来ている。左右の手への音の配分が効率的で、そこから生まれる響き、迫力は想像以上のものがある。
ヴォロドスはラルゴのほうはしっとりと歌い上げ、スケルツォではエンジン全開、特に終盤のグリッサンド連発攻撃は強烈。
ヴォロドスと編曲作品の魅力を存分に味わえる一枚。持ってない人は今すぐ買ってみよう。