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戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)

価格: ¥777
カテゴリ: 文庫
ブランド: 早川書房
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マシンと人の絆 ★★★★★
OVA化された作品の原作となる。

主人公と愛機を取り巻く環境は、異空間を抜けた地球ではない星。
細やかな描写のなかと、退廃的な主人公の気持ち、依存ともいえる機械との関係、
一気に読めて、そして、何か気持ちにのこると思います。
20年も前のストーリーとは思えない ★★★★★
神林長平の代表作にして様々なメディアミックスが行われた有名作品ですね。ちなみに僕が読んだのは改訂版ではなく原本のほう。

超高性能戦闘機「雪風」と、雪風以外は何も信じられない孤独なパイロット。敵は謎の生命体「ジャム」。今では同じようなプロットのSFがたくさんありますが、20年も前のストーリーとは思えないです。
元々冷静かつ冷徹だったパイロットが徐々に人間性を取り戻す(戦う意味に疑問を持ったり、涙を流したり)中で、雪風は多くの戦闘経験から凄まじい速さで学習し、パイロットの人間性を嘲笑うかのようにコンピュータとして自立していく。僕はそんな風に感じました。だから、読了後に残ったものはパイロットと雪風の信頼の美談では無く、哀しみでした。「グッドラック・戦闘妖精 雪風」も読めばまた感想が変わるのかも知れません。
現実が追いついて来つつあるような気がする ★★★★★
主人公・深井零は、恋人に拒絶され国家にも拒絶されてフェアリー星の戦場へ送られ、そこで絶対的な信頼を置く事の出来る「雪風」と出会い、共に戦うことになる。
しかし、人類対ジャムであったはずの戦争は、いつの間にか地球製メカ対ジャムへすり替えられ、人類の生存を賭けた闘争からも拒絶されていく・・・。

昔、初めて読んだ時には色々と考え込んでしまったものでした。
特に『人類がコンピュータネットワークを作らなければ、ジャムは地球を侵略しなかったかも知れない』という一節にはショックを受けました。
現に侵略の矢面に立って防戦している人類が、当の侵略者には認識されていないかも知れない・・・。
数多ある侵略もので、こんなに怖ろしい、そして哀しいものがあるだろうか、と。

メカニズムの描写が詳細かつ膨大で、まず最初にそれに魅了されますが、それこそがこの作品の仕掛けなのかも知れません。
メカニズムこそ、この作品(戦場)の主役であり、人間などは端役に過ぎない、という・・・・・。

しかし、現実の戦場においては、正にそうなりつつある様な気がしています。
電子的偵察手段の発達と情報処理能力の向上により、近い将来、歩兵ですら直接に敵の姿を見ないで戦うようになると言われているそうです。
いや、艦船や航空機の戦闘においては既にそうなっています。

モニターの向こうに敵を見て戦っている兵士達。
だが、それは敵の姿を正確に捉えているのか?
そもそも、本当に敵がそこに居るのか?
機械が『そこに敵は居る』と言っているだけなのでは?

現実の世界がそんな感覚で見られる、ということが、本作品の今日的な意義なのかも知れません。
哲学 ★★★★★
様々な側面を併せ持つ、正しいエンターテイメントの形、正しいSFであると感じました。
戦闘機の描写も緻密でなによりこの作品は哲学的で考えさせられるものがあります。
読んだあと後悔はしないはずです。
何を考えているか分からないものと対峙するという事のの恐怖、民衆の戦争への無関心さ、無知という恐怖、など今の日本そのもののような気がしてなりません。
まさにエンターテイメント最高峰です。
これを読まずして神林作品は語れない! ★★★★★
随所に散りばめられた航空用語、専門的知識があることに越したことは無いのだろうけど、戦闘機について何も知らない素人の私でさえとても充足感を覚える内容になっている。
一見機械的に語られているようで、人間の存在を何処に見つければいいのか、最初は戸惑う。
けれどこれ程内面的な…奥深くに眠る感情を揺さぶる作品は、滅多に読めないに違いない。

出来れば10代の内に(もしくは20代の内に)読んでおいて欲しい。
きっとバイブルの一つになるから。