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飢餓海峡 [DVD]

価格: ¥4,725
カテゴリ: DVD
ブランド: 東映ビデオ
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   1946年、青函連絡船が嵐で沈没し、乗客の遺体が収容される。しかし、その数が名簿よりも多い。ベテラン刑事の弓坂(伴淳三郎)は、転覆のどさくさで起きた殺人事件と睨み、執念の捜査を続けていく。そして10年後、犯人(三國連太郎)は事件当時の彼を知る遊女(左幸子)と偶然再会してしまった…。
   水上勉の同名小説を原作に、巨匠・内田吐夢監督が人間の内に潜む心の闇をスリラー仕立てで見事に描ききった、堂々3時間におよぶ傑作超大作で、そこには自身の人生観も多分に反映されている。
   また、16ミリで撮影したモノクロ・フィルムを35ミリにブローアップするなどの特殊な技術処理をも駆使して、戦後・日本の心の飢餓状態を浮き彫りにしていくという壮大な実験作でもあり、一方では日本映画史上のベスト・テンを選ぶ際、黒澤、溝口、小津、成瀬作品などと並び、必ずベスト・テン入りする名作中の名作でもあるのだ。(的田也寸志)
全国民必見・圧倒的迫力の日本映画の金字塔! ★★★★★
  重厚な映画作品とはこのことをいうのでしょう。しかし、肩も凝らず、
長時間緊迫感を保って決して飽きさせません。後年カラーの松本清張作品や
市川昆の横溝正史作品が流行しますが、その映画としての原点は此処に
あります。永遠に旧さを感じさせない、日本映画の金字塔だと思います。
名作 ★★★★★
今はなき、青函連絡船。
十年前の青森と函館を結ぶ連絡船の難破事故から、物語が始まる。
強盗殺人事件を追う函館署のベテラン刑事役の、故伴淳三郎が最高の演技を見せた作品。喜劇役者として有名だが、この作品ではシリアスに重厚に演じた。彼の補佐をする若い刑事が高倉健。
そして重要な鍵を握る男が、三国連太郎。この映画も三国の代表作でもある。上背が大きく、どこか得体のしれない、暗い影を背負った野卑な男の雰囲気がよくでていた。
彼を慕った女は、左幸子。彼女の演技も幸せ薄く、人を信じて疑わない純朴さと哀しみがにじみ出ていた。
戦後の混沌とした時代、貧困な生活からなんとか這い上がろうとした、男と女の悲劇でもある。
原作は水上勉。
初めて見たのは、もう数十年も前になるが、何度観ても「名作」だと思う。
伴淳三郎演じる函館の弓坂刑事役が脇役ながら極めて味のある演技で見応えがある ★★★★★
日本映画名作中の名作と言われる。原作は、水上勉の飢餓海峡 (上巻) (新潮文庫)。
1965年の作品でモノクロ、今から40年以上前の作品である。

人相の悪い犯罪者3名の逃走劇から始まり、非常に物々しい。3時間を超える長時間の映画であるが、緻密に構成され中弛みを感じることはなかった。舞台となるのは昭和22年の事件発生と、10年後の昭和32年。

ロジカルシンキングなどと近頃はそのスキルがビジネスで重宝がられるが、事件の真相を突き詰めていく高倉健などの舞鶴東警察署の面々は非常に論理的である。会議も報告形式で簡潔で淀みがない。最終判断の署長の采配も冴えわたっており、戦後10年程度でここまできっちりとした捜査運用が行われていたのかと驚く。パワーポイント全盛の現代の会議の方がむしろ間延びしていると感じる。

最後まで犬飼多吉こと三國連太郎を信じてやまない杉戸八重こと左幸子の純朴な演技には心打たれる。やましさというものが一切なく、それだけに悲劇的な結末は哀れと言うしかない。

弓坂刑事こと伴淳三郎の演技はこの映画に重厚さを与えている。事件の捜査のために自身の出世を棒に振り、最後は退職も余儀なくされたようだ。そんな親父を見てきた息子二人は馬鹿な親父だという。10年後に捜査が思わぬ進展を見せ、自費で東京に行く金もなく、子供に無心せざるを得ない苦しい経済状況の中、息子二人は一旦父親を突き放すが、最後は親父を尊ぶ行動に出る。彼の来歴を調べたが、既に1981年に死亡しており、Wikipediaによると「水上勉原作の『飢餓海峡』の老刑事の演技で毎日映画コンクール男優助演賞を受賞するなど、シリアスな演技にも独特な味わいを見せた。」であり、やはり伴さんの代表作品となっているようだ。実にすばらしい名演であり、唐突に終わる最後のシーンがこの映画の余韻を却って深くしている。
もどるみちねえぞ〜けえるみちねえぞ〜 ★★★★★
史上最強の映画の一本。西の横綱が「市民ケーン」なら東はこれしかない。
16ミリで撮影してブローアップしたざらざらして生々しい画面、映画的リアリズムをとことん見せ付けるキャメラとアングル、何度見ても強烈な居心地悪さを与えるソラリゼーションによる心理描写、そして内田吐夢のシグネチャであるロングショットの数々。
だがそれだけではない。怪力の大男三国連太郎、女の哀れ左幸子の朴訥な田舎娼妓、うらぶれた退職刑事が執念の親爺に変身する伴淳三郎さらに脇を固める強烈な個性たちがぶつかり合う、もうそれだけでも果てしなく泥沼な世界をひとつの映画中このように捌ける(いや捌かずむしろそのまま撮ってしまえる)のは内田監督以外にいない。
さらに各シーン、モンタージュ問わず、全体を通して、映画自体が空中分解してしまいそうな、そういう不安定さが続くのだが、それこそがそのままこの救いようの無い人間たちの物語りそのものの強烈なカリカチュアなのだ。
一度見てしまったあなたはもう、もどるみちねえぞお〜けえるみちねえぞお〜。
三國連太郎の眼を見よ ★★★★★
監督、脚本、演出に関してはすでに私が語るまでもなく皆様のレビューにある通りの出来である。
しかし、何より私の関心を惹いた部分は、主演の三國連太郎氏の眼であった。
単に眼力だとか、色気だとか、そういった皮相的な表現では追いつくことのない、晴れない濃霧のような眼差しが全編を覆っており、
理屈を通さない微妙な存在感が、私の批評的な感想を一切退けた。
ビルマの竪琴における三國氏にも同様の印象があったが、これは更に上を行く。
本作に触れてから何年か経つが、いまだ私の脳裏に焼き付いて離れない。彼の眼を見る為だけでも、飢餓海峡は鑑賞の意義を具えていると思う。