今回はまさに一言でいえば大正浪漫な雰囲気。

女性より男性が圧倒的に多い画集かと思います。
絵柄も他画集と比べると雰囲気が違いより大正浪漫っぽいです。意識して変えていらっしゃるのかな?
耽美な絵が多いため、美少女は少なく美少年と美少年の絵が多めです。

画集テーマが多分違うのでヘルマフロディトゥスやディヴェルティメントなどしか知らない方には異色にうつるかもしれません。
私は好きですが今回は人を選ぶ作品かもしれないです。高畠華宵さんなど好きな方にはオススメです♪

『緋色のマニエラ』はホモエロティシズムの生温かな空気が濃厚である。そして、感じさせる時代観は、絡み合う男達の髪型や服装からして、八〇年代風なのが特徴的である。即ち、バブル時代。当時の懐かしさを含みつつも、それでいて緩い理想主義的、或いは歴史修正主義的な時代回顧を頑！として撥ね退けるのが、この愛欲に溺れた男達の姿である。金もあって華やかで良い時代であった、等と皮相的に回顧されることもあるあの時代に対し、その裏に妖しく絡み合う後ろめたい世界もまた存在していたではないか、という一種のアンチを本書は提示している。八十年代文化論の盛んな昨今の時代精神は、本書とどこか通じ合っているのかもしれない。

残酷絵ではないのです。
そういう意味では唯一残酷っぽいのは「蟹地獄」ぐらいか。

丸尾末広っぽい絵が好きな人には一瞬食指が湧きますが、
それは人によっては思い違いかもしれない...
純粋にこの「奇麗さ」を楽しみたい人は、事前によく確認してから。