和と洋、御伽噺の絵も♪
★★★★★
今回は通常のものや浮世絵風や表紙の「月の沈むまで」のような和な雰囲気のものと西洋の宗教画のような雰囲気のものも収録されています。
タカトさんの御伽噺シリーズが大好きなのでナルシスには浦島太郎と欲張り桃太郎、眠れる森の王子があり感動しました。特に眠れる森の王子は耽美です!
個人的に「密殺」がお気に入りです。
私の目的
★★★★★
『yaso 夜想』ヴァンパイア特集で山本タカトさんの"吸血鬼"に一目惚れしました。
画集を大人買いし、再び出会った時には身震いしましたよ。
美しい布張りの上製本、函付きで絵の部分がくり貫かれています。(イメージは函に入った状態のモノです)
どの作品集も共通した作りです。
本書の作品を大雑把に分類すると、
・吸血鬼
・縛られた少女
・生者と死者の間の怪
・竜
・ヘルマフロディトゥス
時が止まってしまった少年のヴァンパイアはとても美しい。
未発達な危ういエロスに永遠の忘却を感じてしまいます。
「灰の帷のように」は萩尾望都さんの漫画『半神』へのオマージュのように感じる。
臓器や骨、性器等が露に描かれていますがどこかしっとりとした品がある。
゛黒゛のベタ部分は底がない感じがして魅力的。
反魂香でも焚けば、うっすらとその闇から蠢く何かが見えそうです。
ヘルマフロディトゥスよりも、吸血鬼がお好きな方に特にお勧めしたい作品集です。
素晴らしい、が、高い。
★★★☆☆
装丁から紙質までこだわった一冊。
まさに「紙媒体」を満喫できます。
しかし高い!
ページ数や内容の密度の割りに物足りないから
「(そのわりに)値段が高い」と感じてしまうのでしょう。
しかし良い。
しかし高い。
ジレンマ。
構図や描き方はもう安定していて、
ある意味ワンパターン的。
スタイルをつきつめている、といえば聞こえがいいですが、
見る人によっては飽きるかもしれません。
値段において「高い」と感じるということは
自分には分不相応である、ということなので、
もう自分はこの方のこの手の画集は買いませんが
これはせっかく買ったので大切にします。
せめて2500円くらいだったら…
発行部数も多くはないから、きっとこの値段になるんだろうな〜。
なおタイトルのヘルマフロディトスに期待するとはずれます。
あくまで上記を割り切って世界観に浸れるひとにはおすすめいたします。