BLの枠を超えた傑作。
★★★★★
BL(Boys love)ものというと過激なセックス描写だけが重要視されていて物語は二の次三の次、物語重視にしたところで話の骨格が弱く耐えられないものになるのが普通であろう。
ところが、この作品はぜんぜん違う。フランス革命前後を中心に平民と貴族、男性と女性をからめた重厚長大な設定が見事に描画され、特段の説明文などなく物語に入っていける。その物語は主人公の一生を揺るがすテーマにつながっていき、見事に終わる。
男性同士の絡みがいやでなければ、ぜひ読んでおくべき作品だ。
何度よんでも、泣けます!
★★★★★
最初、男娼と客として出会ったふたり。ジェラールは初恋の貴族の女のために貴族を憎んでいて、ジャックが貴族の子弟と知り酷く抱きますが。
その後、縁あって平民の家であるジェラールの家でジャックは働くようになり。
ゆるやかに、二人は恋に落ちていく様がせつなく。
心にせまります。愛おしさを互いに秘めながら家族としてやさしい時間をすごしていく二人がせつない。
革命が起こり、とうとう二人は思いを重ねます。
そして、初恋の貴族の女、ジェラールの妻の墓のまえですべてをジャックとの深い愛ゆえに昇華し、涙するラストは圧巻でした。
いくど、読み返しても泣けてしまいました。とても素晴らしい作品だと、私は思いました。
是非読んでみて下さい。
★★★★★
素晴らしい作品です。
内容に関しては他の方が述べているので割愛しますが、よしながふみという作家の幅の広さ、表現の上手さには驚かされます・・
BLだけど、BLを読んだ事ない人も、BLを読みまくっている人も感動するはずです。
よしながさんの作品には同じ時代の執事の分際もありますが、そちらよりこっちの方が好きですね。
ラストの爽やかさには思わず涙!
心から登場人物達に拍手を送りたくなる作品です。
恐るべし! よしなが ふみ
★★★★★
『大奥』以降読者であります。
BLとは無縁できまして『大奥』のあまりのスケール、構成力に以後はまり
よしなが作品軒並み読み尽くしておりますが、この作品はベストかと思います。
なんせジェラールが個人的に好みであります(笑)
最初、街娼と客の関係でいちど寝たきり、あとはナシ....という設定が非常にそそります。
その分、二人の感情は細やかに濃度をましてゆきます。
ラストのラブシーン(こう簡単に呼ぶことさえ陳腐で憚られますが)はBLの濡れ場(笑)を超えた
感動の場面となっています。
ジェラールの大きな「愛」と慕うジャックの「素直な一途さ」に圧倒されます。
時代背景にフランス革命を(重くならない程度に)置き、
設定フランス人のエスプリといつものように邪魔にならない女性群を配してのほのぼのした読後の満足感。
つくづく読んでよかった...と思った作品です。
よしながスペシャル
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よしながふみの作品の中で個人的に一番だと思うお話。
フランス革命期前後を舞台に、没落貴族の子ジャックと、彼を雇った平民の中年エロ小説家(笑)ジェラールの物語を描いています。
恋愛だけにとどまらず、家族愛、赦しといった心に響く要素がてんこもりで、ぐいぐい引き込まれます。
シンプルで美しい絵や小気味よい台詞まわし、嫌みのない感動させ方や、ドキドキさせてはサクッと笑いに落とす技など、よしなが節の切れ味がいつも以上にさえ渡っていて、読後に心地よい幸福感が残るような作品。
特にクライマックスの告白の台詞は気が遠くなるほどステキです。
よしながファンの方はもちろん、ストーリー重視の大人向けBLをお探しなら是非。
新品で買ってもきっと損ではないと思いますよ。