1960年録音の本作、パーソネルを見ればお分かりの通り、ボブ・クランショウ以外はメッセンジャーズのメンバー。出てくる音もファンキー路線と思いきや、ワンホーンのため、ショーター独特のオリエンタルで神秘的なムードが漂う。後のマイルス時代の曲作りに近い感触。VEEJAYレーベルでの他の2作とは一線を画している。ショーターのアルバムとしては、あまり目立った存在ではないけれど、私は『JUJU』よりこちらの方を聴いた回数の方が多い気がする。「The Albatross」なんかは今でもお気に入りの一曲だ。
シダー・ウォルトンが端正なピアニストなためか、本作でのショーターのプレイはいつもより丁寧な気がする。そんなところも気に入っている点だ。
マイルスの『Sorcerer』が好きな人なら、気に入るに違いないサウンドだ。