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風の又三郎 (岩波少年文庫(011))

価格: ¥714
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
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旧版の感想:「なめとこ山の熊」は大人でも泣ける。 ★★★★★
 実は同じ表紙の新潮文庫でも旧版と新編版で収録作が大きく違うのだが、旧版の掲載作品は以下のような感じで、新編では別の巻に別れたメジャー作品が含まれている。民話的な語り口とリズム、優しい世界観、山に暮らす貧しい人々や生き物への愛情など、作者の個性が詰まった作品集だが、個人的には久々に読んだ「なめとこ山の熊」の厳しさと寂しさに心を打たれた。

 国柱会の熱心な信者であると同時に農本主義や社会主義への共感を抱きつつ、一方で起業を画策したり農村芸術運動を行ったりする等、かなり旺盛なアクティヴィストだった作者が遺した童話は、そんな彼の熱く行動的なプロフィールからは対照的に静けさと穏やかさに溢れている。人間の個性というものは決して一面的ではなく多面的に乱反射するものだが、同郷の柳田国男と同様、宮沢賢治という人の個性も興味深い。


<旧版収録作品>
・注文の多い料理店
・どんぐりと山猫
・オッペルと象
・祭の晩
・風の又三郎
・貝の火
・なめとこ山の熊
・カイロ団長
・北守将軍と三人兄弟の医者
・鹿踊のはじまり
・セロ弾きのゴーシュ
20年後を待って ★★★★★
 小学校時代に読んだ。

 最後まで「風の又三郎は 風の精でした」という一言がなくて 
もどかしい思いをした事を憶えている。どう考えても 風の精のはずなのだが。宮沢賢治も意地悪だ。当時はそんなことしか思わなかった。

 それから30年経った今考えるとどうかとさっきから考えている。
他のレビュアーの方も仰っているが 宮沢賢治の「力」は その独特
の「日本語」にある。実際 賢治の言葉は 言霊ともいうべき魔力に
満ちている。こんな独特な日本語は他ではお目にかかれない。

 賢治の資質は 基本的には詩人であるというのが小生の独断である。
そんな詩人が書いた童話は 散文詩と言ってよい。風の又三郎も 
そんな詩人のマスターピースの一つである。それも比類の無い。

 風の精だったのだろうか。未だ 迷っている。後20年くらい経ったら そうしてその時生きていたら また 考えてみたい。 
とても読みやすい ★★★★☆
 この人の作品は小学生の頃から読んでいるが、やはり読みやすいのが良い。まずこの人の作品を読めば他の著名人の偉大さがわかり他の著名人の作品も読みたくなってくる。数多くの著名人の中でも、子供には一番なじみやすいんじゃないだろうか。
 雪渡りはとても静かでカワイらしい作品だ。宮沢賢治独特の雪の表現は面白みがありわかりやすい。

 よだかの星は雪渡りとはまた違う静けさがある。悲しい作品だが最後には良かったと思える、ジーンとくる作品だ。
 いくつになっても読んでいたい作品集だと思う。