石川啄木と柳田國男と宮沢賢治
★★★★★
岩手を語るときに欠かせない作家、石川啄木と柳田國男と宮沢賢治。
もし誰に出会わなかったら,一番,心豊かになれない人生を送ることになるだろうか。
私は,一番宮沢賢治と遠かった。この寓意とか,叙情とか言うやつが苦手なのである。
啄木は現実で,柳田は幻想である。
だから,断片でなく読み通した賢治の作品はこのマンガの『銀河鉄道の夜』が初めてとなった。
知識として知っているジョバンニや,カムパネルラが,天空を走る電車に乗っていた。
宮崎駿の『千と千尋の神隠し』ではないか。もちろん『銀河鉄道の夜』が先行作品である。
早く賢治作品に触れて置かなかったからこういう事になるのである。
ところで、石川啄木と柳田國男と宮沢賢治。
もし誰に出会わなかったら,一番,心豊かになれない人生を送ることになるだろうか。
ちなみに,本書の他のレビュー中に,本書ではないもののレビューが沢山混じっています。
やはり原作も読むべき
★★★☆☆
昔読んだ原作が懐かしく、「まんがだとどんな感じになるだろう」の好奇心もあり購入しました。
やはりサクサク読めるのが良かったです。
また絵も原作の雰囲気を壊していないと思います。
ただやはり読後は原作が読みたくなりました。
(これだけで銀河鉄道の夜を読んだ気になるなら、読まずに原作を読むべきでしょう。
これはこれとして、原作も読むのであれば、とても良い内容だと思います。)
利他、施す報酬
★★★★★
本文の174ページにたくさん悩んで、たくさん苦しみ、それを何べんも繰り返してあらゆる人の一番の幸福を探すんだ!のセリフがあります。この文とマンガでの描写がスパッと私にダイブしてきた。自分のためだけの幸せ探しでいつのまにか軌道を外れ心を焦がして、成功が見えずにあせってしまい空転が続く。選択したことがイメージに合わないことが起きる。意思と現実予測が不一致し混乱していた。これで混乱が終わりそう 。混乱から出たい方、一読ください。
読み直す度に涙が出ました
★★★★★
私は活字が苦手で全然本を読みません・・・
でも人生を豊かにする為にも、名作といわれるものは
押さえておきたいな…としばしば思っていました。
なので、このシリーズは私にとって有難いものです。
もちろん銀河鉄道の夜も原作を読んだ事がありません(汗
本題ですが、最初のサソリの話からもう涙が出ました。
私だったら、今まで自分が犠牲にしたものを考える事すらなく
イタチを憎むだろうとなと・・・
他にも、沈み行くタイタニック号で足りない救命ボートを目の前に人々が譲り合うシーン、
ジョバンニがカンパネルラに1つしかないチケットを渡して自分を犠牲にしようとするシーン、
号泣してしまいました。
もし自分がその立場だったらそんな行動が取れるか?
そんな思いになれるか??
・・・ムリだ・・・!!orz
人は人生において、その価値を試されているのかもしれない。
この作品を通じてそう考えさせられました。
wikiによると、宮沢賢治は生涯をかけてこの作品を何度も何度も書き直しており、
亡くなった後も草稿の状態だったそうですね。
まるで、ダヴィンチのモナリザのようです。
とても深い作品だと思いました。
次は原作を読んでみたいと思います。
美しい物語にふさわしい絵
★★★★★
今さら多くを語る必要もないほど、よく知られた宮沢賢治の代表作であり、美しく哀しい物語です。
しかしそれだけに、読者それぞれのジョバンニとカムパネルラがおり、挿絵や映像がつくとなると
なかなか納得できるものに出会うのはむずかしいのではないでしょうか。
しかしこの田原さんの挿絵は、宇宙の夜空の物語なのに色鮮やかで暖かく、幻想的な賢治の物語の
世界にふさわしいものだと思います。
文も賢治の文章を全文載せており、かつ現代かなづかいで総ルビで読みやすくなってます。
初めてこの物語を読む子供たちにはもちろんおすすめですが、既存の賢治ファンにも満足のいくものだと
思います。「銀河鉄道の夜」の絵本では随一だと思います。
田原さんの挿絵で「風の又三郎」「チュウリップの幻術」もありますが、迷わずそろえました。
こちらもおすすめです。