昔も今も問題解決策は一緒
★★★★☆
2010年の今でも心打たれる言葉が並んでいます。
特に89「忙しいときは冷静になり、暇なときは情熱を持つ」は
情報であふれる現代社会で疲れている自分にじんときました。
道徳心を高めるということ
★★★★★
欲望に振り回されるな、隠れて悪さをするな、才能をひけらかしてはいけない、死を思って日々を充実させよ・・・と、まるでおじいちゃんの説教みたいだが、ただそんな自分の違和感に着目すると、昔の東洋人が培ってきた道徳心というものに思いを致すことができる。
自分を含めて、現代人は良くも悪くも功利的。金を稼ぎたい、会社では出世したい、金持ちや権力者が羨ましい・・・と、そんな資本主義のパワーの中で生きている。昔も同じような商人や官僚は沢山いたのだろうが、一方で儒教や道教や仏教を学んだ人々は「欲を抑えて倫理観を持てば、むしろ心自由に爽やかに生きられる」と、道徳を堂々と説いていた訳だ。我々には「道徳」というと煙ったい感じがするし、そんな世捨て人みたいな生き方で大丈夫か、とも思うが、長い人生は欲心だけでは満たされないのも事実だ。
人よく菜根を噛み得れば即ち百事なるべし。この本には噛んでも噛んでも味わい尽くせない人生訓が詰まっている。時に我が心の狭さを反省し、時に心がすっと楽になる。間違いなく、ずっと本棚に置いて読み返したい一冊。
こんな時代だからこそ
★★★★★
「きれいごとを…」と受けとる方もいるかもしれないけど、それでも信じてみたくなる内容でした!
哲学的ですがすごく読みやすい内容です!
バランス思想と八分目
★★★☆☆
ディスカヴァー・トゥエンティワンの"賢く見える風シリーズ"
本書は、巻末の原文記載と目次で、
約25%程のカサ増しをしているのが残念なところ。
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儒教(律する)、道教(気楽に)、仏教(宇宙観からくる悟り)を補った人生訓。
心を乱さず、シンプルに生活するための心構えが書いてある。
・楽しみながら我慢する
・無欲で素朴、平穏な生活を送る
・物質や精神的に雑多なモノを抱え込まず、日々減らすための指針
・度量を広げる方法
ホントかよっ!? と感じるアドバイスもあるが、
自分が気に入った部分を吸収することから始めればイイと思う。
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「人徳が一家の主人だとすれば、
才能は、その主人に仕える使用人のようなものである。」
「一歩譲ることが、結果的には自分が一歩進むことにつながる。」
「耳に痛い忠告や小言を常に聞き、
心の中に思い通りにならない物事が常にあってこそ、
自分を磨き、大きく成長できるのだ。」
「世の中には汚いものや、けがれたものがたくさんあるが、
それらをすべて受け入れるだけの度量が必要だ。」
「名誉や財産は、時代とともに移り変わるが、
人間の信念や志は、後の世までずっとたたえ続けられるものである。」
「この世は汚れてもいないし、苦しいことばかりが起きるわけではない。
そうさせているのは、自分自身の心である。」
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故事を解説した『菜根譚―中国の処世訓 (中公新書)』も併せて読みたい。
枕頭に本が増えすぎて
★★★★☆
翻訳が先で、原文が参考程度よろしく巻末に付されています。
これが良いです。
内容は十分味わえたと思えますし、
多くの示唆を得ました。
特に事立てた解釈も必要ないですし、
それは翻訳に折り込まれているのでしょうが。
原文が読め、解釈できると素晴らしいのでしょうが、
それはそれとして、
「かみしめて味わう」ことができる本です。
置き場所は枕頭です。