人格を練る妙薬 !
★★★★★
明の時代に洪自誠が著しました。本書には、即効性のある言葉から、実に穏やかに効いてくる言葉、座右の銘となり得る言葉まで、味わい深い漢文がいわば"読む漢方薬"の役目を果たしています。今も昔も人生に躓きや間違いはつきものです。簡潔な漢文により読者を諭し、新たな視点を提供して人生の軌道修正をかけさせてくれる永遠の指南書とも云えましょう。四書五経のような難解な文章は出てきません。誰にでも親しめる短文が、人生の色々な分野について記されています。菜根譚の解説書は最近多く見かけますが、岩波文庫が最もシンプルで、かつエッセンスを良く現代文に訳していると思います。大きな活字のワイド版岩波文庫は、読書環境をより一層良くしてくれます。
味わい深い、人生の見方を豊かにする古典本です。
★★★★★
読んでいて、生きる勇気を与えてくれる古典の本です。
人生で何かにつまずくのは当たり前で、そんな自分の心を
洗い直し、優しく心にあるわだかまりをを悟してくれる本です。
私は最初、講談社学術文庫版を買って満足していましたが、
あまりにも「菜根譚」が好きなので他の訳者の菜根譚も読みたいと
思い、岩波版も買ってみると、こっちのほうの
訳もなかなか良く、味わいがあり、この2冊あって幸せ〜という感じです。
こういう古典の知恵を自分の腹にまで染み込ませたいです。
まさに通俗古典
★★☆☆☆
最近、ビジネス書方面で人気のある古典。
通俗書にも古典はあるわけだが、これなどまさにその最たるものか。
倹約はいいがケチになるなとか、誠実に生きれば一時的に不遇になるとか、人を疑うなとか、中庸の徳を教える文言がなかなかうまい対句で綴られているが、どれもこれも、まあごもっとも、と思うけれどだんだん飽きてくる。こういうのは、相田みつをが高級になったみたいなもので、寝る前に一つずつ読むとか、そういうものであろう。
まあこれを読んで生き方の指針にしようと思うのは、一流のインテリにはいないだろうな。てなことを言うと怒られそうである。しかし実際、大した指針にはならない。
人生を深くする本
★★★★☆
仏教、儒教など東洋思想に関する本は初めて読みました。
その上での感想です。初めて読む人の参考になればと。
当然ですが、科学とは違った視点から物事にアプローチをしています。
ただし解釈は論理的でも道徳的でもあり、物事を多角的に見たい時、
何かに行き詰った時のヒントになるような気がします。
個人にとっての考え方であると共に、全体をより良くしていく為の
考え方でもあるような気がします。
本全体として、私のように初めての人にも読みやすい解説もあるの
で、東洋思想の入口としても、おすすめだと思います。
もう少し若いうちに出会っておきたかった本
★★★★★
前集222条、後集135条に分かれており、本の解説によると、「前集は専ら世に立ち人に交わるの道を説き、後集は主として山林自然の趣きと退穏閑居の楽しみとを述べている」文集です。
この本を読んだきっかけは、リーダーのための中国古典 (日経ビジネス人文庫)を読んだ際、何度か引用されており、一度通読したいと考えたからです。
実際、前集において具体的に書かれていることは、他人との接し方、君子としての振る舞い、世渡りの方法、普段の気持ちの持ちよう等々、この現代でも仕事に取り組むに当たり、応用の効く文章が数多く含まれています。
それに対して、後集では、栄枯盛衰・万物流転の必然、無為/無我の境地・泰然自若のすすめ等、浮世離れし悠々自適に暮らしていくことの素晴らしさが描かれています。
400ページ近くある文庫本のため、全部読み切るのには時間がかかります。
そこで、私のような30代前後のビジネスマンにおいては、前集だけでも読んでおく価値は十分にあります。新入社員が読んでも参考になる部分は多いと思います。
逆に、後集の方は、役員等の経営層の方のほうが、心に響くものがあるのかもしれません。
もう少し若いうちに出会っておきたかった、というのが正直な感想です。
いい文章だなと思って印をつけていた部分を、改めて読み直してみましたが、噛み締めるほど味のある内容だと思います。
じっくり読めます。
★★★★★
じっくり読めます。