住居にコンセプトは必要不可欠?
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現代住宅において(住居という曖昧なビルディングタイプのようなものについて)建築家が設計する際にコンセプトとなりうるであろう117のキーワードについてそれぞれ短いエッセーが書かれているオムニバス形式の本。
コンセプトといっても、敷地などの与件や家族といった設計段階で前提となるものから、構成などの設計手法や素材など建物自体のコンセプト、過去の事例や歴史といったそれぞれのフェーズによって意味合いが違ってくる。この本ではそれらが章に分けられていて、大まかに設計の流れに沿って展開していくので割と読みやすい。関連する他のキーワードへのリンクや、参考文献も同じページに載っていて見やすい。
本文にも書いてあったが、実際に住居についてこんなに事細かに考えてるのは日本人ぐらいなのではないかと本当に思う。コンセプトに縛られて形態の自由度が限られる(予算や土地にもよるが)とかいう状況はあまり面白いものではない。
コンセプトが無いのは面白くないが、コンセプトさえ面白ければ良いものでもないらしい。海外建築家の作品の内観写真の綺麗さや不思議さも好きなものの一つだ。