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オートバイ・ライフ (文春新書 (048))

価格: ¥746
カテゴリ: 新書
ブランド: 文藝春秋
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ジェントルマンのマニュアル ★★★★☆
雑誌「アウトライダー」などで有名な小説家、斎藤純の力作。エッセイの体だが実用書といったほうが適当か。初心者の心構え、マシン、用品の選び方から、ツーリングのこつまで広範だが、オートバイ乗りはかくあるべし、といった精神的指南書の色合いが強い。そのほか、ファイン・アート、文学、映画、ジャズなど、著者の得意分野からオートバイにまつわるものが逐一紹介され、オートバイ文化の総合書ともいえる仕上がりだ。

仏教系大学で哲学を学んだ著者は、オートバイに乗ることは知的行為だといいきる。乗り手はマシンとの関係を通して、外界、ひいては自己と対話を重ねていくものらしい。すぐれた哲学者は、おおむね社会的だ。著者もまた社会性を重んじるジェントルマン。軽率なライディングを嫌うだけでなく、オートバイ乗りは世のために何をすべきかということまで踏みこむ。スロットルを握る書き手は珍しくないが、多くはただ走りまわっているだけ。そんななかで貴重な人だ。上品な大人のライダーの共感を呼ぶだろう。

だが不満も残る。本全体、どこか優等生的で淡泊だ。オートバイを突きつめれば見えるはずの狂気や無意味さに思考が及んでいない。重層的に書かれているわりに厚みがないのだ。著者は成人してからオートバイを知った、いわば遅咲きのライダー。上からものをいうのはよくない。著者が正直に自認していることをあげつらうのは、さらによくない。だがそれを承知であえていう。体験によって得たものが少ないから、掘り下げが甘いのではないか。まだ修行が足りないのではないか、この人は。

オートバイに乗るのは、ジャズを聴いたり、映画を見たりするより主体性が強い行為だと思う。これからも親しんでより深いことを書いて欲しい。日本オートバイ文化の発展に欠かせない重要な局面で、今のところ孤軍奮闘している著者だ。になっている期待は小さなものではない。
納得の一冊 ★★★★★
昨年17年ぶりにリターンライダーとなっり、ビッブバイクオーナーとなったオヤジにも、「フムフム」「そうだよなぁ」と思わせる内容でした。
最近はバイクのる年齢層が上がってきているという報道をよく見ますが、そういえば我々が若かりしころ欧米のライダーは若者ばかりじゃなく、カッコイイオヤジもたくさん乗っていたと思います。
そういう意味では、日本のモータリゼーションも成熟してきたのかなと思います。
人生の酸いも甘いも知って乗るのは、また味わい深いものですね。
経験者向きか (バイク2〜3年 or 人生) ★★★★☆
免許取立ての頃に読んだ際は、全く面白いと感じられなかった。
その頃はバイクに乗ること自体に夢中で、芸術との関わりを語るところなどが、スノッブに気取って感じられ鼻についたのだと思う。

が、2年経ってあらためて読んでみると、結構面白かった。
コーナーを上手く抜けた後の青空や、震えながら食べたうどんの味など、バイク乗りならば言葉に出来なくても共感できることを、表現してくれている。
自分は読書などが好きなので、映画・文芸・音楽との関係も、バイクライフを広げるものとして、興味をもって読めた。

ただ、免許取得・乗り方・装備・ツーリングなどは、ある程度経験を積んだバイク乗りにとっては当たり前のことで、不要に感じられた。
その道の達人に聞いたことを箇条書きで写している部分が多く、深みがない。

とはいえ、野生のままにバイクに乗ることから、少し考えながら向き合うことを勧める狙いからすると、両方の読者を対象に含めることになり、中途半端になるのも致し方ないのかもしれない。
バイクの良さを伝えようとする本が、新書で出ているということだけでも、価値があると思う。


なお、これからバイクに乗るという方には、つじつかさ著「ライディング事始め」がお勧め。
精神論を語るよりも実際的で、かといって細かいテクニック論には陥らず、おおらかで楽しい本です。
哲学的ではありますが、オートバイの真の魅力を綴っています。 ★★★★★
この本に出会えてよかったと思う。
オートバイという乗り物を通じていかに自分を知るかという
とても興味深いないようでした。
私たちが普段オートバイに乗っていて感じる言葉に表さない
何かが綴られています。
読後、著者の言うようにオートバイに知的に乗れる自分を発見し
驚くとともに、より豊かなオートバイライフが歩めるようになりました。
出張時の空き時間に読んでます ★★★★★
気持ちを引き立ててくれます。気持ちを落ち着かせてもくれます。バイクと音楽、バイクと絵画、バイクと文学、何かを表現したいときの媒介役「バイク」が実に気持ちよく表現されています。
これからの時代のお約束「自己責任」もバイクで身につきます。
そして本当の人間関係を考えられるようになるのもバイクと付き合うから。