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社会不安障害―社交恐怖の病理を解く (ちくま新書)

価格: ¥714
カテゴリ: 新書
ブランド: 筑摩書房
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SAD入門 ★★☆☆☆
 社会不安障害(SAD)、(最近では「社交恐怖」などどわけのわからん言い方になった)という病気はパニック障害、うつ(ココロの風邪)、に続いてSSRIを売り込もうというビッグファーマの戦略シリーズの一環である(PTSDが次)。昔からあがり症、対人恐怖は日本人に多いがそれなりの自分の居場所を見つけて生きてきたはず。SSRIで良くなるのは「うつ」を合併した症例位だろう。多くの引きこもりの若者(中年も急増中)にはSADの合併もあるだろうが、独立したビョーキとしてしまうことに危険は無いだろうか。SSRIも思いのほか依存的になる人たちが多くその対象を安易に広げるのは如何か、と。
当事者の立場から読んで ★★★★★
社会不安障害(SAD)とは何ぞや? という方が多いと思われます。
単純に言えば、「極度のあがり症」のことです。
そしてその「極度」とは、本人ですらコントロールできないほど「異常」なものであり、
我慢や努力といったものでは容易には改善できないほど酷いものです。
その結果、人と接する場面を意識的に避けるようになり、仕事・恋愛・日常生活にまで悪影響が及び……

自分みたいな引きこもりが誕生することになるのです。
そして引きこもるまでにはいかないまでも、SADに苦しんでいる人は100人に5人から15人とも言われます。

本書はSADの症状とその治療法について大変詳しく説明されています。
さらにSADや鬱病に使われながら、最近副作用に「自殺の恐れ」が指摘された「SSRI」の是非についても冷静に指摘されています。
本書によると、確かにSSRIを飲んで自殺衝動が起こる人もたまにはいるようです。しかし実際にそうなってしまった際にすぐに医者に相談すれば、薬を減らしたり変えたりすることでそうした最悪の事態はかなり避けることができるようです。

とにかくSADに悩んでいる人にとって本書はまるで福音のようなものです。
惜しむらくは、タイトルを見ても「社会不安障害」という名前を知らない人には本書を手に取ってもらえないことと、出版年が2008年とあまりにも「最近すぎる」ことです。
SADの症状を訴える人が意外に多いことは、欧米では10年以上前から知られていました。それなのに日本では……。
社会不安障害や鬱病に限らず、200人に1人以上の人が苦しむ「決して少なくはないマイノリティな」病気や障害(例えば乳がんなど)に対して、我々は理解を深めていくべきだと思いますね。
丁寧な本 ★★★★☆
非常に丁寧で良心的な本だと思いました。
社会不安障害とは何なのか、どうして発症するのか、どのように治療するのかが丁寧に解説されています。
また、著者は社会不安障害に批判的な学者がいることも紹介し、それに反論する形で、この病
気が広く認知されたおかげで人生が好転した人が大勢いることを強く主張しています。
あと、この本は行動療法より、薬物療法に主眼が置かれて書かれています。

社会不安障害は発症者が非常に多く、一般に思われているよりも重い病気だそう
なので、不安のある人は読んでみてはどうでしょうか。