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狂気という隣人―精神科医の現場報告 (新潮文庫)

価格: ¥515
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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精神医療を学ぶ入門用に、歴史や実際の現場の雰囲気が伝わった ★★★★★
精神医療に関心をもって学び始めたばかりですが、この本は知りたいと思っていた
精神医療の歴史的変遷や、現場の様子、記憶にの残る患者の状況について書かれて
いて(特に精神疾患患者の起こす危険行動の実際と、その司法における顛末を読み)
きれい事ばかりでは済まされない部分も知ることができ、緊張感を持つことができ
ました。大変勉強になりました。
現代医療の問題点、そして精神のあやふやさ ★★★★★
とにかく読むべきです!
現代の医療制度の暗部ともいうべき、精神に関する病に対する忌憚ない意見。
心の病とは、何とあやふやなものか。どこから異常なのかだれにもきちんと云えないのではないか。私だってもしかしたら狂っているのかもしれない。もしかしたらこの世界自体が狂った私の妄想かもしれない。
明日発狂するかもしれない。
芥川龍之介じゃないですが、狂う恐怖に誰だって本来おびえておかしくはない。

そんな漠然とした不安を、思い出させてくれる一冊でした。

うまくまとまらないけど、とにかくそんなことをつらつら思いました。

精神障害 ★★★★★
精神科医の書いた精神医療の現場について書いた本です。臨床経験に基づき、深い洞察のもとに書かれていると思います。中心は、都立松沢病院での経験が書かれています。松沢病院の長い歴史についても書かれており、大変興味深いです。と同時に日本の精神医療の歴史的空気というものがよく伝わってきて、勉強になる本でした。良くも悪くも精神医療の現場を伝えている本だと思いました。
岩波先生、ありがとう ★★★★★
 次作の『狂気の偽装』、『自我崩壊』はまだ読んでいないので、もしかしたら論調が変わっているのかも知れませんが、本書は淡々とはしていても現在の精神医学の抱える問題点を社会、法、政治、それに何といっても知られざる精神医学の内密までを含めて今まで闇の中にあった世界を簡潔に説明していて読んでいて好感を持てました。
 昨今の高齢化=老人ホーム社会では生き長らえても回復するということがなくやりがいがないだろう、同様に精神病院でも最悪の事態は治療者を失望させることの連続だろうと率直に思いました。普通ならただただ涙が出て来ること(本書の一章一章がO・ヘンリーの短編のよう)ですが、その連続に医師として対処せばならない。冷酷にもなれませんが実際は処置的に対応するしかない。そこにどれだけ全般的配慮をし、よい結果を得るか、それは呆然とさせられる無謀な無益ではないかと思わせられるような努力と言う他ないものかもしれません。仮に〈意識に直接作用する人格的存在〉を前提にラスプーチンが皇族の白血病を治したように、キリストが心身の不自由を自由にした時のように精神病=統合失調症を治療する方途が見出せないのか、という全く別の観点でも、著者には決して受け入れられないであろう視点でも私は読んでいます。
 これだけの内実を明らかにしてくれた著者に、正常な言葉を持たなかった人にも代わって私は何よりもありがとうと言いたいと思うのです。
臨床医師ならではの本。 ★★★★☆
 「精神科医の現場報告」という副題のとおり、都立松沢病院の救急外来の当直医を務めた著者による現場報告。
 松沢病院のことや診療したさまざまなユニークな患者のことを平易な文章で書いており、なかなか興味深い。
 一方、制度的な面の記述も随所にある。信じられないことに、日本では全診療科の2割に相当する36万床の精神科病床がある。それにもかかわらず、スタッフは少なく、重篤な患者をきちんと受けいれる体制がない現状が書かれている。
 また、(1) 犯罪を犯した精神病患者については、欧米では、入退院には裁判所など司法機関が関与するとともに、特殊病棟で十分なケアがされつつているのに対して、日本では、司法の関与が少なく、医療機関に措置や入退院の判断がまる投げ状態になっていること、(2) 一般の病院や警察は、精神病患者とみるや、本人がたいへんな状況にあっても、みさかいなく松沢病院のような精神病院に搬送してしまうことなどが書かれている。
 どこか1点に絞った強い主張があるというタイプの本ではないが、臨床にあたってきた医師ならではの本。私のように、精神科の知識のない人間にとっては勉強になった。