気鋭の社会学者が解く未婚化・晩婚化の真実
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現在、日本では未婚化・晩婚化が少しずつだが、着実に進行している。一体、それは何故なのだろうか?
この本は、その理由を様々な図表を用いながら、社会学的に検証するものだが、はっきり言って、これほどまでに未婚化・晩婚化の真実を深く突いた本は無いと思う。
例えば、この本では結婚のことを、男性にとってはイベント、女性にとっては生まれ変わりと表現しているが、これはまさしくその通りである。その上で、何故結婚に対する過去の常識が通用しなくなったのかを、幅広い分野から検証していると言える。
なお、この本は山田さんにとっては、比較的初期の作品に分類される(ちなみに、山田さんの単著としては、古い方から3番目に当たる)が、この本で書かれている理論は、現在でも充分に通用する。いや、むしろ政府がこの本に書かれている理論を10年以上に渡って黙殺し続けていたが故に、更なる未婚化・晩婚化が進行したことを考えると、より存在価値を増していると言える。
だから、未婚化・晩婚化について語りたければ、最低でもこの本を必ず読むべきだと思う。いや、この本を読まない限り、未婚化・晩婚化について語る資格は無いと思う。