時は戦国時代、武将・鷲津武時(三船敏郎)は、妻・浅茅(山田五十鈴)にそそのかされて主君を殺害し、その城主となるが、朝茅は次は親友の三木義明(千秋実)を殺害するよう強要する…。
黒澤明監督が敬愛するシェークスピアの『マクベス』を戦国時代に翻案して描いた、幻想と恐怖に彩られた人間の業を露にする戦国絵巻。武時に謎の予言を伝える老婆(浪花千栄子)の不気味な幽玄性や、「森が動く」という台詞どおりに本当に森が動いたとばかりに驚嘆させる映像技術の素晴らしさ、そしてクライマックスでは、主人公に本当に無数の矢を射かけていくという、ダイナミズムを通り超えた恐怖の演出をも堪能できる。能を効果的に用いた佐藤勝の音楽も秀逸で、彼は本作から黒澤娯楽映画絶頂期の音楽をことごとく担当し続けることになった。(的田也寸志)
気が緩むところが全くない妥協を許さない映画。ずっしりと質量を伴った映像と、目を瞠る演技を見せてくれる
★★★★☆
霧に包まれた場面、砂ぼこりがまう場面、騎乗し馬で駆け抜ける場面、馬を翻す場面、そして矢が放たれ突き刺さる場面と何もかもが重厚な質感を伴って目に飛び込んでくる。そして出演者たちの演技力に感嘆。重鎮たるその芝居は映画に貢献という軽々しい言葉では片づけられない目を瞠る堂々たる演技だ。三船敏郎の鬼気迫る表情が素晴らしい。次第に追い詰められていく重苦しい心境をまざまざと表現し見せつける。何たる演技者としての心構えだろうか。そして台詞の喋り。力強く芯の通った声。出演者それぞれが手を抜かず、身体に入れる力を弱めない。妥協を許さない緊張感に溢れた数々の場面。黒澤明の映画を作る力量が感じられる。そして映画を作る者たちの結束力が素晴らしい。映画の映像だけでなく、目に見えないところにも感動してしまうこの映画はずっしりと質量を伴ってこれからの映画の歴史に残り続けるだろう。
映像が傷まるけ
★☆☆☆☆
見てびっくりした。
昔、レンタルビデオで見たときには、、こんなに傷が入っていた記憶が
なかったので・・・、本当に信じられない。これが現在、存在する最高の状態にある
フィルムをマスターテープとして使用したものなのでしょうか。
例え、そうだとしてもきちんと修復してDVDとして商品にしてほしかった。
黒沢明監督作品、特にこの「蜘蛛巣城」は、単なる映画というだけではなく、芸術作品として
非常に価値のあるものだと思っていますので、よけいに残念です。
う〜〜ん
★★★☆☆
ストーリーがあまり納得できませんでした。
大殿を殺そうとした、奥方こそ物の怪では?
すばらしい。
★★★★★
映画というものは、アクションの凄さとか、映像技術のすばらしさ、とかそんなものでは評価ができないことが、本映画をみることではっきりわかります。段落が変わるときには、ただたんに、パワーポイントのスライドのように、横から、あたらしい場面が入ってくるのですが、こういった手法は、古くてもぜんぜん気になりません。
題材がシェークスピアだけあって、面白いのは当然なのですが、やはり三船が光っています。
映画史に残る傑作であると断言できます。
若い人でまだ見ていない人があれば、ぜひどうぞ。
一番好きな作品です。
★★★★★
黒澤明監督の作品はすべて持っています。その中でも一番好きな作品です。二番は、虎の尾、三番、用心棒あと、赤ひげ、生きもの、酔いどれ天使、乱、と続きます。ビデオ、LD、DVD、ブルーレイと視聴環境は良くなっているにもかかわらず、ソフトの値段が如何せんまだ高いのが現状です。私はマスターワークス3巻計約13万その他は単品で揃えましたのでそこそこ高い買い物でしたがいつでも好きな時に観れるので、無理をして購入しましたが、考えますと作品自体もう40年50年前のものです。内容が古いというのではなく、せめて普及版でお求め易い価格なら1500円が妥当なところでしょう。定価3990円なら半年前の洋画の新作の値段だと思いますが如何でしょう。アメリカと比較するのは良くないですが、新作でも10ドル位で買えます。まあ、世界規模ですから安くできると云えなくもないですが。名作を安価な価格で沢山売る事がメーカーの務めだと思いますが。一考お願い致します。