作家の私生活はこうなのか、と思わせられてしまうが、読みすすめていくうちに著者の意図がまるで違うところにあることが見えてくる。繁栄を謳歌しているように見えるアメリカの大人の女たちの生態を通して、精神病、薬物依存、アルコール中毒、不感症、サドマゾ、人種差別、学歴社会、倦怠など、アメリカ社会が抱えた病巣が掘り起こされる。
まるで、著者がルポライターになり女たちを取材してまわっているような、不可思議なテイストを持つ小説である。