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深い河のかなたへ―黒人霊歌とその背景

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: 音楽之友社
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全国の黒人霊歌の愛好家にとって、なくてはならない本だと言えましょう ★★★★★
今から30年ほど前、大学合唱団の重要なレパートリーの一つが「黒人霊歌」でした。私も定演とジョイントで指揮をしたこともあり、思い出深い合唱のジャンルです。そんな思いでもあり、この本を興味深く読みました。

著者は国際基督教大学でグリークラブに入り、そこで多くの黒人霊歌を歌ったそうで、社会人になってからもヒマを見つけては楽譜屋やレコード店をあさっていたそうです。日本航空の関連会社の社長を歴任された定年後に、より深く黒人霊歌のことを研究されたそうです。その後、NHKラジオで4時間にわたって放送されたものを肉付けされたのが本書です。

内容は、「黒人霊歌」の成り立ちだけでなく、一つ一つの曲の解説も詳しく、教えられることが多い貴重な著作でした。昔歌った演奏曲も数多く取り上げられており、それも興味深かった所です。

我々の頃は、このような図書も情報もなく、曲の解釈も平板で、リズムとハーモニーと歌詞の発音に練習時間の多くが割かれていました。学生指揮者のレベルですと、曲の奥に流れている宗教感や曲の成り立ち、時代背景を踏まえた解釈などを、よく理解していなかったのが実情でした。当時、この本がもし出版されていたら、もっともっと深い理解が得られていたと思います。

このような様々な情報の詰まった黒人霊歌の「参考書」を待ち望んでいました。文章は読みやすく、訳詞も解説も丁寧で、有名な曲は網羅されています。

全国の黒人霊歌の愛好家にとって、なくてはならない本だと言えましょう。

黒人霊歌の詩の意味,歴史を知るのに便利。 ★★★★☆
日本の合唱団は,黒人霊歌を取り上げることが非常に多いのですが,その意味や歴史までは勉強しないのではないでしょうか?? 

#もちろん勤勉な方は自力で調べるのでしょうが。

調べるにしても,なかなかいい文献がないのが実情だと思います。文献があったとしても,厚すぎて調べるのが面倒だとか,入手が困難であるとか,そんなことばっかり。。。

そんなとき,この本が役立ちます。それほどページ数は多くないので,スラスラ読めますし。内容も理解しやすいです。

さらに大事なことに(合唱をやっている人にとって),「多くの訳詩が載せられている」のです。

辞書(?)がわりに手元に置いておきたい一冊です。