インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

マカロニほうれん荘 (9) (少年チャンピオン・コミックス)

価格: ¥440
カテゴリ: コミック
ブランド: 秋田書店
Amazon.co.jpで確認
時代の最後の光芒 ★★★★★
すでにレヴューが何度も書かれているわけですが、わたくしも
最大級のレスペクトを抱いている作者なので、蛇足ですが、語らせて
ください。
やはり最後の前衛漫画家だという気がします。
すさまじいスピードで駆け抜けていきました。
その作風とコンセプトの変貌もまたすさまじいものでした。
9巻に特徴的に現れるのは、つげ義春ですね。音楽の世界であった
考古学的な視点や手法を漫画にも活用されているのだと思います。杉浦茂も
言及されています。(鴨川先生がさらに、第一線で活動しつづけて
手塚治虫×石子順『漫画の奥義』的に、近藤日出造や清水崑や杉浦幸雄、
南部正太郎などをどう活用されていたのかなど夢想してやみません。
手塚さんは『アドルフに告ぐ』でそれを部分的にやっておられる気が私には
しています)。
後年のインタヴューでこの9巻を「手抜き」にしてしまった罪悪感で
耐えられないと作者は語られているわけですが、到底、そうは思えない。
サインペンの素描も、新しく映えます。
とにかく停止することのなかった人ですね。畏敬をおぼえます。
次巻の『マカロニ2』も傑作だと思います。
1980年代の、未刊行の作品の刊行化をつよく望みます。
長い長い夢の続き ★★★★★
子供の頃、大好きでコミックを何度も何度も読んでました。
ノリのよさ、ギャグのテンポ、ポップな絵…。
30年近く経った今でも、魅力は衰えていないなぁと改めて思いました。
こんな素晴らしい作品が新品で入手可能だなんて!
涙を知れ! ★★★★★
日本という国は可笑しな所で、どんなにツマラナい作品でも「大御所」には大金を払わなければならなかったらしい。音楽…映画…、そして漫画も当然ながらそんな風潮があった。才能にはそれなりの見返りがあって然るべきと俺は思う。俺達のナケナシの金が、古臭い・画も下手クソな漫画を描いている爺さん連中の高額な原稿料になったと思うと怒りさえ感じる。

しかし悲しいかな、時代は流れてしまった…やる気を削がれた作者の断末魔を、時代の頂点を極めた作品の最後に残して…。
この作品はあの時代でしか輝く事は無いだろう。それでも俺達は思う。「鴨川つばめ…あんた最高だったよ!」
鴨川つばめさま ★★★★★
ぼくは小学生の頃リアルタイムでチャンピオンを読んでいました。当時家庭も学校も辛くてしようがなかった毎日、毎週ほうれん荘の住人になれたのは救いでした。いまでも井草のどこかで年とったとしちゃんやきんどうさん、そうじくんるみちゃんが待っていてくれる気がします。鴨川つばめさん、ほんとうにありがとうございます。
悲しい予感 ★★★★☆
小学生のころ、コミックスの方を立ち読みしていた。
暴走するギャグが面白くて読んでいたわけだが、
それだけではないなにかを感じていた。
今から思えば、それはカウンター・カルチャーの匂いだったのだろう。
ロック・ミュージック。つげ義春。
ロシア民話。メルヘン(!)。
そのほか、いまだに出所のわからない引用もある。

大きくてまっとうな物語とは別の、局所的な情熱と倫理。
それらが却って、大人っぽさや文学っぽさを感じさせていた。
今回最終話を読んで、意外だった。
記憶のなかのそれとは違っていた。
私の記憶では、
最終話にはトシちゃん25歳、きんどーちゃん、馬之介の3人しか登場しない。
背景も含めてすべてが単調な線で描かれ、

それぞれのキャラクターは投げやりで無表情な異形でしか描かれない。
セリフはなく、説明もなく、ただ旅立っていく。
そしてこれらのことすべてが、
カウンター・カルチャーの敗北、子供時代の終焉、
セルフ・イメージの崩壊、非現実感、アパシー、
外の世界との断絶を示している。
そのように記憶し感じていた。
だが実際の最終話はそうではなかった。

受難者になるわけでも、混乱するわけでもない。
とにかく続けようとしている。
悲しい予感はあるにせよ。
最後の頁のあてどもない感じが、真実を突いているように思える。