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セイリン・シューズ(紙ジャケットCD)

価格: ¥2,200
カテゴリ: CD
ブランド: ワーナーミュージック・ジャパン
Amazon.co.jpで確認
   奇才、ローウェル・ジョージの才能が爆裂した歴史的名盤。アメリカン・ミュージックと呼ばれるものなら、なんでも吸収し消化していく貪欲さが、このアルバムにはある。ブルース、ブギウギ、ロックンロールと、多種多様だ。
   特に<5>は、ローウェルがザッパのもとにいたころ、ザッパに聴いてもらうと気に入ってくれて、自分のバンドをつくるよう勧められ、リトル・フィート結成のきっかけとなった名曲。のちにこの名曲をカヴァーした人は多い。広大なアメリカン・ミュージックの一断片を垣間見ることができる傑作。(たかいしさとし)
インパクトのあるジャケに負けない充実した内容 ★★★★★
本作はジャケのインパクトという点では屈指の出来だ。ジャケのためだけに買っても損はないと思う。

内容面ではリトル・フィートの音楽の着実な進歩が見られる。楽曲・演奏とも力がこもっている。デビュー作にも収録されていた「ウィリン」を本作のものと聴き比べるのが一興。デビュー作ではローウェル・ジョージのアクシデントでライ・クーダーの力を借りたが、きっちり自分たちだけで演奏するヴァージョンを吹き込むところにこのバンドの愛すべき側面がうかがわれて好きだ。ニコレット・ラーソンがカヴァーした「トラブル」も逸品。

次作は「ディキシー・チキン」となるが、わずか2作で終わったオリジナル・メンバーによる最後のアルバムとして、いつまでも手元においておきたい作品だ。
洋楽ファンを自称するなら不可欠なアイテムでしょ? ★★★★★
学生の頃(1985)手に入れましたがアメリカの土臭さが滲み出るこの手のサウンド好きには
たまらない一枚ですね。当時の日本の洋楽に関する情報は書籍に頼る以外難しかった。
今の若い世代はネットでいくらでもメディア情報が手に入る訳で羨ましいです。
音楽に対してあの頃のような情熱は持てないけど、今でもこのアルバムを聞くと懐かしい
思い出が甦ると同時に、このアルバムの普遍性を感じます。常に最新の音楽を追い求めている
人々には多分得にくい感覚でしょう。年を取っても引っ張り出してきて聴くに耐える音楽は
草々ありません。今の最新のアルバムを3000円近く出して買うのは愚の骨頂!?
今、マッチやピンクレディの曲をカーオーディオにボリューム全開でドライブ出来ますか?
私の言いたい普遍性とはそういうことです。
ローウェルのメロディセンスが表出する「革命前夜」 ★★★★☆
リトル・フィートは次作「ディキシー・チキン」から6人編成でリズム処理を中心に多彩な音楽色の「ガンボ(ごった煮)」に突入していくのだが、本作は結成時の4人編成での最後の作品で、まさに「革命前夜」といった位置付けにある。そういう意味では横揺れするリズムやニューオリンズ界隈の音楽性などは聴かれないものの、もともと、非凡なメロディメイカーであるローウェルの才能がストレートに出ているという意味で聴きやすい作品とも言える。

Trk1はドゥービー以上にシャープなギターがカッコよいウェストコーストロックだし、Trk5はいわずと知れた名曲中の名曲。ビル・ペインの叙情的なピアノと流麗なスニーキー・ピートのペダルスティールが絶妙。Trk2はスライドギターが効果的なスローブギウギ、3はフォーキーだがメロウな逸品だし、Trk6はヴァン・へイレンもカバーしていたベタベタのブルーズTrk8は疾走するR&Rと、とにかく多彩。

これはこれで最高なのだが、6人編成の全盛期フィートが、本作収録曲を余裕タップリに演奏するのを聴いてしまっているので、素材としての曲の良さは満点としてもアレンジと演奏の艶にはまだ上があるという意味で、厳しめだが星は4つとしておく。

しかし、そんじょそこらの作品とはケタが違う作品である事も付け加えておきたい。
ジャケ買いだったが、損無し!くせになります。 ★★★★★
これ、ストーンズというかミックジャガーやクラプトンが好きな人は
もちろんのこと、それ以外でも普通にロックンロールが好きなら、
好きになると思います。(Dixie Chickenにも言えることですが)
個人的には以前カントリーをよく聞いていたので、
オルタナっぽいことを早くも彼らが試みていたのだなと・・・
色々なミュージシャンを刺激したのではないでしょうか。
自分たちの好きなことをやっているというこのノリは
最近ではノラ・ジョーンズのLittle Williesを思い出させます。
肩の力を抜いて好きなことをやっているというこの感じ・・・
また南部の情景とか、とにかく想像力を膨らましてくれるんですよね。

このアルバムでは比較的、カントリーはカントリーらしく、
ブルースはブルースらしくやっている感じがします。
とにかく聴き所満載、個人的にはホンキートンクピアノが
随所で聞こえてくるのが嬉しい。あまり泥臭くないです。
彼らについてはこれまで知りませんでしたが、Willin'等は
聞いた事があり、古い知り合いに会ったような嬉しい発見でした。
ジャケットが異様な感じがしますが、タイトル曲のSaillin'Shoesと
結びついて絶対忘れないですね。
ちなみに、このジャケットはちゃんと広げて見てくださいね。
一番好きなアルバム! ★★★★★
 フィートのアルバムの中では、これが一番好きです。ファーストは、南部伝承音楽、ブルース、サイケデリックミュージックを飲み込み彼らなりにロックンロールにして見せたと言う傑作であり、好きな一枚なのだけれど、詰めの荒さが少し目立つもので、あのまま言ってもロックの歴史に残るサイケバンドにはなっていただろうけれど、今のフィートのような尊敬までは得られなかったと思う。
 そんな事に気づいてか、この「セイリン・シューズ」は、ファーストと同じくさまざまな音楽を飲み込みつつも、単なるロックンロールに終わらず、一歩進んであの「リトル・フィート」の音楽を築き上げている。相変わらずのミクスチャーで、不思議なメロディーあり、ファズをかけたボーカルあり、奇妙なドラムスの音処理ととんでもないロックばかりであるが、一音たりとも独りよがりのものになっていない。とにかく、聴かそうという姿勢が強く感じられる。プロデューサーのテッド・テンプルマンの力も大きいが、一番はローウェルの力だろう。全曲名曲ぞろいで、捨て曲なし。後の「ウェティング・フォー・コロンブス」でも多数取り上げられている。次の「ディキシー・チキン」と同様かなり気合を入れて作った、なのに売れず非常にローウェルが落ち込んでしまい、バンドは解散状態になったとの話はこのセカンドから毎回のように起こっていくのである。
 素晴らしいジャケットアートはネオンパークスの手によるもので以後、フィートと手をつないで墓場までいく。本当に何回聴いても飽きないアルバムで間違いのない名盤である。