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違法弁護 (講談社文庫)

価格: ¥700
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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安心の内容です。 ★★★★☆
法曹界の説明のくだりが少々難しような〜です。物語は安心して読み進めていけるないようです。ようするに普通です。
現役弁護士、渾身のリーガルサスペンス ★★★★★
 現役の弁護士である著者、中島氏のリーガルサスペンス。
 
 氏の描く作品には、いつも現代(…といっても大分出版から年月が経っているので当時というべきですが…)の法曹界への問題提起が含まれており、それをベースに、法曹界に身を置く(美人な)女主人公が活躍する構図となっています。

 この作品では、横浜の大手一流法律事務所に勤める、野心満々で世俗的な水島百合子弁護士が、当事務所では異端に人の良い同僚とともに、突然、きな臭く犯罪の臭いのする企業の刑事弁護担当に任命されることになります。クライアントが殺人や拳銃の密輸に関わっていることに気づきながらも、水島は、パートナー(事務所代表弁護士)への出世の野心のため、弁護を続けるが・・・。

 はっきりいって、水島弁護士のキャラ造詣は、ヒロインとして、相・当・普通じゃないと思います(笑)。こういう、かなーり"腹黒"な女性は、普通、ヒロインの適役として登場するはずでは・・・・いえ、実際には、弁護士をやっている女性にはこういう人もいるんでしょうから、リアルでいいのですがね…(^^;;)。はっきりいってかなり嫌な女性です。ただし、もちろん、有能では有るので、物語上重要な役割を果たします。
 
 水島弁護士や大手法律事務所の利益第一主義に反感を抱く捜査本部の警察官や、刑事部とのパワーゲームに奔走する公安部、海千山千のエムザ法律事務所弁護士達、そのなかで浮きまくる弁護士が1人(最後には彼は水島氏と対極の道を選びますが、彼女は、彼と自分の人生が一瞬だけ交差し、そして生涯二度と交差することがないことをずっと忘れないでしょう)。人はそれぞれの立場と価値観と譲れない一線を抱えている。そのことを、この物語の登場人物は、まざまざと体現してくれます。リアルな人物描写と著者の弁護士業務経験に基づく骨太なストーリーが、この作品を一級のリーガルサスペンスに仕上げています。

面白いです!! (ただし、読後は、やや微妙な気分になります…。後味が悪いという程ではないですが…)
違法弁護 ★★★★☆
『検察捜査』が、検察官の圧倒的な不足という状況を背景にした作品ならば、こちらは弁護士の過剰供給を背景とした作品。
ストーリーは、倉庫街で起きた警官射殺事件の犯人を追う刑事と、倉庫の管理を担当する女性弁護士・水島の視点で進む。

当初は、「倉庫にあったのが何か、そして犯人は?」という部分が中心に進むのだが、公安の影がちらつくなどし、いつのやがて背後関係を巡るホワイダニットへと変貌して行く。主人公一人の視点で描かれていた、ある意味では単純なフーダニットであった『検察捜査』よりも確実にサスペンスとしての完成度は上がっている。用語説明などが多いのは確かだが、比較的すんなりと読める、というのもありがたい。
なかなか面白かった。

弁護士倫理を問う ★★★★☆
現役弁護士である中嶋博行氏の長編は、決まって女性法曹が主人公である。この作品は弁護士、それもタイム・チャージ制で莫大な報酬を稼ぐ、巨大な外資系ロー・ファームのアソシエイトだ。司法試験の大量合格で、増大する弁護士人口。スケール・メリットを求めて大型化する法律事務所。所属する組織の暗部に苦悩する主人公。守秘義務という足かせを打開する、起死回生の一手。弁護士間競争への期待と不安を描き出した名著だ。執筆当時に司法改革を先取するこの作品を書き上げた著者に拍手。
司法改革を見越した卓見 ★★★★☆
現役弁護士である中嶋博行氏の長編は、決まって女性法曹が主人公である。この作品は弁護士、それもタイム・チャージ制で莫大な報酬を稼ぐ、巨大な外資系ロー・ファームのアソシエイトだ。司法試験の大量合格で、増大する弁護士人口。スケール・メリットを求めて大型化する法律事務所。所属する組織の暗部に苦悩する主人公。守秘義務という足かせを打開する、起死回生の一手。弁護士間競争への期待と不安を描き出した名著だ。執筆当時に司法改革を先取するこの作品を書き上げた著者に拍手。