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検察捜査 (講談社文庫)

価格: ¥650
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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注意が必要 ★★★☆☆
小説としての内容は悪くないと思う。
ただ、50ページも読まないうちから明らかに事実と異なる点(取材不足によるミス?)が散見されるので注意が必要。
▼「主席検事」などという呼称は存在しない。検事正の次は次席検事。
▼殺人を担当するのは捜査二課ではなく、捜査一課。
▼司法担当記者が県警の広報に記者会見の要望をすることはあり得ない。県警担当記者がきちんと別にいる。
20年以上前に発表されたとは思えない、先見の明ある作品。 ★★★★★
 現役弁護士の中嶋博行氏の小説家デビュー作。1994年に発表され、江戸川乱歩賞を受賞しています。

 主人公である美人検察官・岩崎紀美子は、横浜地検勤務。大物弁護士西垣が殺害され、彼女はその捜査に携わることになるが、捜査が進むにつれ、彼女はその事件の背後には大きな陰謀が隠されていることを感じるようになり、そんな彼女にも危険が迫る……。
 主人公は、割とよく登場する類型の「気が強くて破天荒で、でも美人」なタイプの女性。岩崎と異なっていたって常識的で、彼女と恋人"的"な微妙な仲の検察事務官・伊藤氏も補佐的役割でいい味をだしてます。

 司法試験制度に大幅な見直しがされて試験合格者数が大増員、弁護士の増加と過当競争が危惧されている点や、裁判員制度(実際は米国の陪審裁判とは異なる点も多く折衷型といわれてはいますが)の導入がここ数年巷をにぎわしていますが、この物語は、そういった昨今の流れとも整合性がとれています。20年以上前に書かれている物語ですが、著者の大勢を読む先見力が現れていると思います。今読んでも、古く感じません。
 まあ、多少陰謀がかりすぎていますが(検察、弁護士、警察のパワーゲームの描写は、ちょっとしたスパイ小説か何かのようです…。確かにそういうのもあるんでしょうけれど、この描写はちょっとどうかと思います)。法曹界に興味ある人には、お勧めです。



法曹界の内幕が描かれている ★★★★☆
なんだか白い巨塔のような感じがして、とても興味深く読めました。
ですが、ミステリー仕立てにする必要が果たしてあったのかどうか。
ドキュメンタリーのようにも思えた。
法曹界の裏側がのぞけるも、ミステリーとしてはどうか ★★★☆☆
検察組織や現状を垣間見られるほか、日弁連など実在の組織についても現役弁護士ならではの視点で事情が描かれている。その部分は一般にはわからないことなので、かなりおもしろく読めた。ただ、肝心の殺人事件については、殺人現場の描写はショッキングだけれど、動機や背景などについては弱い感じがする。最終的な真相も、あまりにも「ありえない」領域に入っており、それを裏付けるには必然性が薄い気がしてならない。
検察幹部って、こんなに愚か者なの? ★★★☆☆
 本作は第40回江戸川乱歩賞受賞作です。江戸川乱歩賞は推理作家の登竜門として多くの人気作家を輩出しており、受賞作の質も高く文庫で読む際もハズレが少ないので読む機会が多い賞です。乱歩賞の選評では、「検察の問題点を中心とする法曹界の問題点がわかりやすく、興味深く描かれている」(阿刀田高氏)とあり、現役弁護士のデビュー作として評価されています。

 それ故読むほうとしては自然と点が辛くなってしまいます。確かに私たちがあまり知らない法曹界の内幕を、物語を通して語っている点は評価できます。しかし内容的に業界暴露話的な部分が下駄を履かせている面も否定できません。

 では何が足りないのか?登場人物がやや、ステレオタイプに描かれて人物描写にもう少し深みが欲しいところでした。犯人の動機についても説得力に欠けるし、勧善懲悪的な単純さが司法に携わる人物にそぐわないと感じたのは、弁護士や検事に対する私の幻想なのでしょうか。あまりにも愚か者が多すぎました。

 海外に比べ、リーガルミステリーが貧弱なのは、ドラマの起き辛い日本の司法制度にも原因があるのかもしれません。その点でストーリーとしての水準はクリアしているので、今後この分野の発展を期待して作者にはがんばってもらいたいと思いました。