不条理の点描で王道を描く
★★★★★
ギャグ漫画として面白いだけでなく、親殺し(親離れ)譚としても正統派の、無駄のない構成。
漫画の文法で読むと混乱するが、
80年代に流行ったメタファー過多の成長&宝探し小説
(「羊をめぐる冒険」とか「コインロッカーベイビーズ」とかあれ系)だと思って読むと、
スッキリ腑に落ちる。
その二面性が、読んでる最中の違和感というか、名状しにくいテンションに繋がっている。
問題作ではあるが
★★★☆☆
ビバ思春期から全て彼の著書を買い揃えているが、そろそろ限界です。付いていけなくなりました。
読んでいる人どころか、書いている本人すら意味がわかってないのではないだろうか?と思うぐらいのカオスな作品。わかった振りすらできません。面白かったといえば、ロンリネスというストーリーに一切絡まない話でした。そういえば、ニューファラオも結局ストーリーに絡まないままだったな…。次回作はあるのでしょうか?
愛と「生き辛さ」への回答
★★★★★
1巻から4巻まで、シュールを超えた狂気と、それが脱臼した瞬間の居たたまれなさをギャグとして読者をトリップさせ続けてきたこのマンガ。
第四巻後半、「ラストシークエンス」にてそれまでの要素が一つのメッセージに収拾され、ギャグを超えて精神的哲学的な方面に突き抜けます。
ただの引きこもりに過ぎない主人公「竹之進」(この名前の隠喩に注目)が、狂った外の世界を潜り抜け、精神的な「この世の終わり」に直面したとき、作者の込めたメッセージが強く立ち上がります。
そして、一話から最終話まで読んだら、ぜひストーリーをご再読下さい。
なぜ、ラストシークエンスまでの展開がひたすらカオスなのか?
なぜ、登場人物が端から狂っているのか?
作品を〆る「言葉」が結末と世界観の関係を端的に明らかにしています。
作品の中に繰り返し出てくる不思議なキャラにも、各キャラの性格を補足する象徴が反映され、とても深いです。
ヒューマンギャラクシー
★★★★☆
life is comedy
宇宙、竹やぶ、温暖化、筋肉、死、生、命、嘔吐物、音楽、幻像、愛、笑い、、全てが一つ、そして全てが別。
深い深い混沌、揺るぎない不条理で揺れるような世界、頭ではなく心でとらえる、そんなニュアンス。
よく解らない、分からなくて大丈夫、判るならばそれは、『宇宙』でしょう。