二匹目のドジョウ……ならず
★★★☆☆
年上の製薬会社研究員×年下のカレー屋台青年、イラストは草間さかえさん。
…ってことで、嫌でも別レーベルから出ている同作者の「楢崎先生とまんじ君」を連想しました。ま、似たようなカップリングでもシチュエーションでも、裏を返せば安心して読める、自分好みの話だからね。
うーん、でも、ときめき要素やストーリー展開の意外性なんかが足りない。文章は上手い作家さんなのでサクサク読めますが、あまりにもお決まり通りに進んで行く…。
「スパイスとハーブの勉強をかなりやった」と作者さんが仰る通り、その辺のウンチクは面白く、ものすごくカレーが食べたくはなりました(笑)が、肝心の二人の絡みが物足りない。
つまらなくはないけど、「まんじ君」の方が笑えて萌えてホロリとできたので…ちょい辛めの評価です。カレー屋だけに?(笑)
「お医者さんにガーベラ」がお好きな方にはおススメ
★★★★★
「お医者さんにガーベラ」がお好きな方にはおススメです。
この「ガーベラ」の甫に俗世間知識を加えた感じの受けと、九条を若くした雰囲気の攻めがカレーとスパイスを共通項に知り合っていくストーリーで、全体的雰囲気がこの「お医者さんに〜」に似ています。
特に受けの透のちょっと理屈っぽいところや超真面目なところや、だからこそのセックスの時の言葉と態度のギャップが引き起こす可愛らしさなど。
違うのは今回の攻め芹沢がかなりワンコであること。
背の高い素直なワンコで、言動がかなり可愛い若者。
対していろんなことに距離を置いて生きている透は、その思考回路が素早く回転する様が面白緻密に書かれていて、透という人物そのものにめちゃくちゃ興味が湧きました。
前作と比べてしまうと似ている関係でそんなに新鮮味はないんですが、類似したハートフル作品を読めると思えば二度おいしいってことで。