著者は意図していないかもしれないが、最先端の実証研究と一致した対策!
★★★★☆
近年、海外ではエビデンスベースドクライムプリベンション、つまり「証拠に基づいた犯罪防止」という取り組みが盛んに行われている。これは、場当たり的な犯罪対策でなく、犯罪や犯罪者、犯罪の行われる環境などについての心理学的、社会学的な実証研究に基づいて、適切で効果のある犯罪防止活動を行っていこうという取り組みである。一方、日本ではこのような取り組みは遅れており、文部科学省をはじめとして相変わらず、効果の怪しい防犯活動が行われている。この本の作者はたぶん意図していないと思うが、この本に書かれている内容は類書の中でも最も現在の科学的な防犯活動とマッチしているものである。学校やPTAなどの関係者に1冊勧めるとすれば、類書は多いが、迷わずこの本を薦めるであろう。内容も読みやすく、わかりやすい。