第3巻への貴重な橋渡し
★★★★★
今回登場するのは 1)旺太君、2)琴音ちゃん、3)菱田君、4)萌ちゃん です。
琴音ちゃん以下の三人は前後編に別れていますので、全部で7話ということになります。
話の内容は、第1巻と第2巻に挟まれて、ちょっと地味な感じもしなくはないのですが、話の進行も絵柄も安定し、冴えています。
例えば、菱田君の心の中にある、飛び出す絵本。
絵が2次元を実感させているんですから、絵が3次元になっていると言うことです。
主要な登場人物の絵は勿論綺麗ですが、その他の登場人物は、いかにもその他大勢、どうでもいい平凡な人々になっています。
この辺りから次第に高まって怒濤の第3巻に突入!という感じです。
”週間”ジャンプに載っていてもおかしくない、エンタメ性も持っていると思う。
★★★★★
見えないものは、人の内側には必ずあると思うのだけれど、その地図はどこにも売っていません。
売っていないなら、描いてしまえと古屋兎丸さんが、思ったかどうかはわかりませんが、続きが早く読みたいマンガができました。
人の心の内側のハナシは、どうしても暗くなりがちなのに、絵と登場人物のキャラクターのせいか、ほんわかよめます。
それプラス、主人公のピカソは直接、人の心を覗くことができるわけでなく、問題を持った心象風景を描きその絵にダイブするという能力なのですが、これもポイント高いです。
それは心の澱が、言葉にしてアウトプットできないとき、たまっていく性質のものだからです。一見、絵に人が入るというのはアンリアルな設定ですが、この角度から見ると、説得力あるなと思いました。人の心が回復する仕組みとして。
また『マグノリア』などの一流どころの映画を思い出してしまいました。
理屈っぽくかいてしまいましたが、僕の悪い癖で、好きになると分析しちゃうんです。
エンターテイメントの質として、週間ジャンプに掲載されてもおかしくない、力があります。
余談ですが、『DOLL STAR』というマンガも、目の付け所が同じで、こちらでも、人の心はワンクッションおいて、人形に投影されていました。
『幻覚ピカソ』に、ピンときたら、おすすめです。
1巻に負けてません!
★★★★★
1巻に引き続き、面白いです。
人の心にダイブするたび、気絶してしまうので
その間にどんどん不審人物と化していくピカソ君が不憫ですが(笑)、
意外な方向から解決を導いたり、いいこと言ってくれちゃいます。
あと、お話もキリのよいところまで収録されているので
分厚い分しっかり読めて満足でした。
今回巻末に収録された、悩み相談もなかなかツボです。
絵の上手さに圧倒されますが、それ以上に話もよく出来ているので
本当にすごい漫画家さんだと思っています。
読んだことない方は是非!
なぜかモテモテのピカソw
★★★☆☆
他人の心象風景が見えてしまい、それを絵に描く才能があるピカソ。
その絵の中に入り込み(ダイブして)その人の心の闇を解放することで
一度は死んだ身体が延命される。
入りこまれた人は、心の奥底にピカソの存在が
いつまでも残るわけだから
そりゃ、みんなピカソの事を何か好きになっちゃうよね・・・
これ使ったら、人の心も思いのままに・・・
と悪用を考えた時点で死んでしまうので
良い事しかできない残念なピカソ。
2巻もモテモテになっていきますw