ギスギスの組織からギリギリと音をたてる組織へ
★★★★★
日本企業を活性化させるキーパーソンである部課長に向けたメッセージとして打ち出されているが、それ以外の方もオススメできる本。
対話力の基盤となる観を養い続ける人間が増えれば、それだけ個と組織が強くなりうる可能性が高まり、社会が好転しやすくなるのだと感じる。
One world under the sun. One team under the vision.
共通目的のもと、周囲にある文脈、語るべき内容、振る舞いを意識して共創を重ね、互いに成長する組織。そうした組織をつくる鍵は、たくましく骨太な一人ひとりの個人にある。
それぞれが力を出し、生活の糧を稼ぐ収入機会、自分の可能性を開いてくれる成長機会、何かを成し遂げることによって味わう感動機会、様々な人と出会える触発機会、学校では教われないことを身につける学習機会、地域や社会に対して益をなす貢献機会、夢を成すための千金を得る財成機会という7つの機会を仕事から得て、成長し続ける人生を歩んでいこう。
こんなメッセージも込められている気がした。
書籍の後半は、人を率いる立場になったときに使えるツールも紹介されており、全体を通して、頭に入れただけでは終わらせず、実践することを前提に構成されている。
「自分は何によって憶えられたいか? 何を遺したいのか?」というドラッカーと内村鑑三の言葉を引用した最終章のあとにくるあとがきは、実体験をもとに綴られており、ぐっと腹に響く。