あいだににライヴ盤を挟むが「タイム・ラヴズ・ア・ヒーロー」から考えると続いてのスタジオアルバム。
このアルバム製作前にもローウェルはフィートに終わりを告げていたようである。このアルバムとなるセッション中、1979年春にはバンドは実質解散状態。5月には、とうとう今度こそ本当に解散宣言。
その後、ローウェルはソロとなり、ファースト・アルバム「特別料理」を発表、そのアルバムツアーの最中、1979年6月29日心臓発作で帰らぬ人となる。結局は、商業的にきちんと評価されず、ドラッグにおぼれた死ということであろう。
本アルバムは、そういったこともあり中途半端な状態になっていたモノを、残ったメンバーで仕上げたアルバムである。
前作までのファンキー路線よりも全体的に落ち着いた雰囲気があるのはそのためか。ローウェル作の楽曲が多いのもそのためか。新しいフィートを見せ始めていたところだったのかとも思う。「シックス・フィート・オブ・スノウ」、「ココモ」、「ビー・ワン・ナウ」など涙なしでは聴けない名曲がそろう名盤である。
プロデュースは「lowell george... with a little help from friends」とある。インナーも「FEAT」と書かれたジャンパーを羽織ったローウェルが背中をむけ歩き去っていくモノクロの写真である。
とうとうこれで本当にローウェルのフィートは終わってしまったのだ。ザッパの推薦でフィートを始めたころから考えると、ほんのわずかの間にこんなにも遠くに来ていたんだなと思う。
日本でも追悼盤だったと思う。余りに残念な死であった。
ここまで出したのだから、やっぱ、ローウェルの「特別料理」もこの紙ジャケシリーズで出すべきだったんじゃない?ローウェルの「特別料理」もどこかこんな手触りのあるアルバムだったしね。
ローウェル・ジョージのリトル・フィート最終作★★★★☆
ユーモラスな#1に軽快なカントリー調の#2と続くせいか、あまたの傑作と比べると、前スタジオ作『Time Loves a Hero』以上になんだか憑き物が落ちたようなすっきりした印象を受けるが、やはり演奏のクオリティの高さは並ではない。
1979年の作品。ローウェル・ジョージ参加の最後のアルバムです。穏やかな声が心に染みます。リトルフィートの作品中録音は最高。プロデュースもまことにつぼを得たものだけに本当に惜しまれます。他のメンバーも大活躍。特に最後のパーカッションのサム・クレイトンがボーカルをとる「Feel The Groove」腰の座ったファンキイさがもうたまりません。