鮮やかで色彩的な「マンフレッド交響曲」
★★★★☆
ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団のチャイコフスキー「マンフレッド交響曲」1976年の収録である。大編成の交響曲であり、バイロンの詩を標題に持つ半ば組曲的な標題音楽であるこの曲を素晴らしく鮮やかな色合いで演奏している。録音も明晰で素晴らしい。……演奏はあたかもドラマチックな「幻想交響曲」の様に響く。左右に分かれた二台のハープや、左側に定位するバス・テューバの音色が特に素晴らしい。終楽章中間部ではフーガ風の掛け合いが聴かれるが、ここも非常に見事である。ただ、終盤のパイプオルガンの音だけはちょっとチープな雰囲気かもしれない。唯一の難点である。