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幼き日のこと,青春放浪 (新潮文庫 い 7-21)

価格: ¥578
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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昭和を代表する作家、井上靖の原点 ★★★★★
明治40年(1907年)生まれの井上靖が綴った本書には、20世紀初頭まで日本各地に残っていた懐かしい心の風景が描き込まれている。長年の勘と経験であらしに立ち向かう男たち。朱塗りの風呂桶と薙刀を嫁入り道具にしてきた本妻と、幼い子どもを人質のようにして溺愛し育てる孤立無援のお妾さん。閉鎖的な集落の大人たちの顔色をいち早く見分けながら、子どもたちは、都会からやって来る少年少女を見え隠れに監視し、桜の実で唇を紫に染め、正月の晴れ着に身を包んだまま吹き曝しの辻でただ風に鳴っていた。狐火、餅搗き、馬とばし。滝や淵には精霊がいた。

「私は今でも、おかのお婆さんの墓石の前に立つと、祖母の墓に詣でている気持ではなく、遠い昔の愛人の墓の前に立っている気持である。ずいぶん愛されたが、幾らかはこちらも苦労した、そんな感慨である」(p.189) 井上靖が小学校6年生のときにおかのお婆さんは亡くなる。子どもにはこういう視点が備わっている。教育とは、「大人の姿を見ること」そのものなのかも知れない。

私は若い頃に井上靖の多くの作品を読んだが、久し振りに本書を読み返してみて、描き込まれた日本の風俗、実は落第生であった井上靖の経歴、離れて暮らしてきた父母への想いなど、私は本書から言い尽くせないほどの大きな影響を受けてきたのだと感じた。
本を集中して読む ★★★★☆
若いころ好きな作家でした、文庫で手軽に買うことができるので購入しました。ただゆっくりと読書といった状況にないこともあり何冊かまとめて買いましたのでまだぜんぶを読みきっていません。必要な本を必要なときに購入するのが一番と思いますので今後はまとめてでなく買いたいと思います。
思いを馳せて ★★★★★
筆者の「しろばんば」「夏草冬涛」「北の海」を読んで、
その土台となっている実際の幼少期の生活を垣間見たく手に取った一冊。
土蔵での曽祖父の愛人との暮らし、おばあさんが作ってくれたライスカレーの話、
どれも皆ありありと目に浮かぶようつづられており、
懐かしい思いのする作品です。