著者は、ベンフォルドという名前の戦艦の元艦長です。ベンフォルドの艦長として着任したあと、どのようにベンフォルドを改革したか・・・という話です。米軍の話ですが、部下の人心掌握について、ビジネスにもそのまま応用できる内容が盛り沢山です。ただし、実際に戦闘したことはないようです。
　適当に息抜きさせる、下士官にも責任を持たせる、しっかりほめる・・・などなど、どれもこれも目新しいモノではありません（実践できるかどうかが大事ですが）。やや驚いたのは、米国海軍というのはおもっているより組織が硬直化しているらしく、ベンフォルドのようなやり方は異端扱いされるということです。
　あえて、この本のエッセンスを抽出するならば、「個人個人に責任をもたせ、考えさせろ」ということです。ビジネス本としては平凡かもしれませんが、海軍という舞台設定の特殊さがこの本を興味深いものにしています。

某メルマガで第一位・・との事で早速、渉猟してみましたが・・・
期待が大きかった為か、、
艦船での兵法ではありますが・・実際のビジネスには
今ひとつ、具体的応用には欠ける観が否めませんでした。

私には、訳者解説の吉越氏の言葉の方が・・
ズバッと突き刺さってきました。

とは言え・・内容は当然のことばかりで
異論反論はありませんし、基本的な事こそ徹底しなければと
思わせて頂きました。

手本となる上司やメンターに出会えることで、自らの成長もブーストできるというが、確かにこのような上司のもとで働くことができれば可能であろう。少なくとも私の会社においては上司が部下を育成する風土はあまり感じられない。それは誰しもが個人の成果を出すことしか考えていないからだろう。海軍と企業を一概に比べることは難しいが、少なくともアブラショフ艦長には「責任と権限」があったことが一つの要因ではないだろうか？２年間という短時間でここまでの成果を出すことが出来たのは勿論、アブラショフ艦長が熱意をもって取り組んだからにすぎない。しかし、今の職場にそれほどまでに熱意をもってチームを作ろうとする上司がいるのだろうか？この本を読むことで「自らがそのような立場にならなくては」と感じた一冊であった。

『部下の自主性を重んじ、活躍の場を与える。
そして、その結果の責任を負う』

その主義主張は真っ当で、けして斬新なものではありません。
しかし、艦長が実践してきた多くの事実が、
その重要性を力強く裏づけてくれます。


ノウハウを学ぶというより、
「良きリーダーであろう」という気持ちを鼓舞してくれる一冊でした。

アメリカ海軍を舞台とした臨場感あふれる物語で非常に読みやすい。あまりにもうまくいきすぎのような感じを受けなくも無いが、具体的な事例をベースにコツが書かれているので、自分でも使えそうに思える。この手の書籍になじみのある人にとっては、特に目新しい内容はあまり無いのだが、このように一見当たり前に思えることを、主人公のようにしっかりと、そして徹底的に部下と向き合ってできることが、実は優れているのではないかと思う。