理屈じゃない。自分は多分アートスクールが好きなのだと思う。
曲の端の音さえ全て愛しい。
青くささ、なんかどうにもちょっとダメな感じ、
溺れていくような甘さ、全体に惹かれてしまう。

音ははじめから好みだったのだけど、
最初はその歌詞の青くささが表現として拙く見えて苦手だった。
しかしアートスクールの音楽を聴いていると、何故か
青春映画の中に入り込んだような不思議な感覚に陥ってしまう。

その青くささは、どうも曲の主人公のダメ感、
人間味を深める演出、になっているような気がする。
この曲の主人公はなんてダメで愛しいんだろう？という感覚に陥る。
こういう感覚になるバンドは初めて。

海外レコーディング&良エンジニアによってとにかく音がいい!
曲自体は前作前々作などに比べると荒っぽさは減ったがギタリストとベーシストが新メンバーになったこともあって一曲一曲に色がついたように良い意味で変わった。
個人的にはART-SCHOOLの最高傑作だと思う!

このバンドを洋楽のパクりとか、ただのグランジバンドだとかって間違って認知してる人は、とりあえずこのアルバムだけでもいいから聞いてもらいたい。

ここまで邦楽でやってくれるバンドはマジでいないよ。本当に。

こりゃマスターピースだ

何より、纏まりが半端じゃない事は他のレビューにもある通り

そして、RADIOHEADやスーパーカーを彷彿させるエレクトリック
さすがはトニー(笑)

どこを取っても素晴らしい

前2枚のアルバムもその作曲家としての不安定さからくる魔力、魅力、勢いで聴き応え充分なのだが、PARADISE LOSTはアルバムとしての収録曲のまとまりが比較にならないほどいい。

刺青まではほとんどノンストップといってもいい勢いでアップテンポ、ローテンポの曲が乱れ打ちされ、そこからゆるやかにテンションを落としていき、後味すっきり終わるという理想的な構成になっている。

一曲一曲見ていっても取り上げたい曲は数多い。
BLACK SUNSHINEはこれぞアートスクール独特の怪しげなミディアムナンバーの傑作であるし、ダニーボーイは渋さ全開のバラード。
直後のFor the swanは切れ味鋭いロックときている。

そしてなんと言っても一押しは『あと10秒で・・・』


あと10秒で世界が終わる時が来たらその10秒で君に触る
それ以外は何もねぇ


ただそれだけをシャウトしまくる姿が栄えるのは木下理樹さん以外には早々いまい。
まさしく死と性衝動以外にART SCHOOLのテーマはないという究極形である。

そしてこちらもお気に入りの「刺青」。
メロディーが大変秀逸で、ちょっとGRAPEVINEぽい。
何故か
「アンダーグラフの「ツバサ」より確実にいいだろう」
などと思った ノ;・ω・三 何故かはよくわからん

ART SCHOOLはこの後も相変わらず毎回作風が安定しないもので、この作品ほどフィーリングが合うアルバムは出てこないかもしれません ノ'∀｀三 それがまたおもしろい