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変身

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本
ブランド: 小学館
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乙女ゴコロ男子にこそ宿る・・?かなあ ★★★★★
本書の主人公・星沢皇児は、コンビニの深夜バイトできちきちの生活をしながら、コムデギャッルソンの衣装をまとい自費出版の少女マンガをストリートで販売。買ってくれた人には本の価格以上に高価なバラの花をプレゼントするという独自の美意識を持つ偏屈な頑固者。彼の描くマンガは、彼自身の世界観を反映して時代錯誤的に干からびたセリフが満載で、普通に考えれば到底売れる代物ではありません。その重苦しいマンガの作者は、作風とおりのブ男、三十を越してなお童貞・・というとてもイタい設定で、そのブ男が突然イケメンになって・・という展開。見目麗しくなってからというもの、何の努力をせずとも突然本が売れるようになり、いよいよメジャーデビューというときの担当編集者(マドレーヌ)のセリフが大変印象的でしばしば作者自身の美意識や文化論を代弁しているようです。いわく

「・・日本の少女マンガのアイデンティティは、ヨーロッパへの憧れとドメスティックな儒教的精神の数奇なハイブリッドで・・」な〜るほど、と腑に落ちました。

今の若い女性たちを観察してみますと、西欧への憧れはいまだ続いているものの儒教的精神は急速に失われているようです(これはいわゆる女ことばの消失とリンクしてるのではないかと私=評者の推測)。不遇時代から星沢の最大の理解者であり、奇矯な忍者言葉(?)をあやつるゲロ子が実は柔道の達人で父親の道場を手伝っているというのは象徴的で、その儒教的精神に満ちていると思われるアナクロな家庭環境があってこそ、星沢の描くマンガ世界を正確に理解できたのでしょう。

外見はイケメンになり、写真集まで出版され人気者となった星沢皇児は、マドレーヌからもアイドルの香羽からも迫られるのですが、その重苦しい性格は以前のままなので、ことごとく失敗するのがとてもほほえましくかつ、私からみるとイタいのですが・・・。

うっとりするようなバイロンの詩の引用があったかと思ったら、サラシにハッピでレイバンでライフル・・みたいな破壊力満載のギャグに走るのは野ばら氏の常套する方法で、その落差の激しさは目に星が入ったロマンチックなコマの次のコマで突然主人公が三頭身キャラに変身するような、まさに少女マンガを見るようなビジュアルが目に見えるような佳作です。

楽しませていただきましたので星は五つ、謹んで進呈いたすでござるよ。
としまえんに行く人が増えたらしい。 ★★★★☆

超ブ男が、ある朝目覚めたら
超ハンサムになっていたという、
カフカの「変身」のパロディ。

恋愛遍歴譚の形を取っていますが、
主人公の女性へのまなざしはとてもクールかつシニカルで、
そういう意味ではたいへんお勉強になる小説です。

嶽本さんの初期作品のヒロインは
聖少女的な雰囲気をまとっていて
女性に対してそういう甘美な幻想を抱いている作家なのかと
思っていましたが、いやはや、
酸いも甘いも、表も裏もちゃんとご存じ。

顔の皮一枚で翻弄される主人公が最後に選ぶ相手に、
なんだか微笑ましさを覚えました。

ちなみに、としまえんでバイトしてる友達は
「ゴスロリのお客さんが増えた」と不思議がってました(笑)
感想文が書きやすいかと ★★★☆☆
図書館で借りて読むのならすごいいいと思います。
私は買うにはちょっと物足りないと思いました。ラストで主人公の思いが吐露されるシーンがあり、読んでいてすごく感慨深かったのですが、それまでが・・・。
主人公をはじめ、優しい人はいないし自分勝手な人ばかりです。
実際の人間はこんなもんと思いつつも、本のなかにも登場するのはちょっとイライラ。
表面だけで決めてたら痛い目あうよーということをわからす意味ではきっちり書かれた本です。なので表面ばかり見がち、気にしがちな年頃の学生の方は読んでみたほうがいいです。私もそうでしたが見た目ばかり気にするのってあんまり自分にプラスにならない。
人間、一番きれいでいなくちゃいけないのは心なのですね〜
まんが ★★☆☆☆
良くも悪くも、漫画を読むように読める小説です。さらっと読めて、後には何も残りません(良い意味で)。野ばらさんファンなら期待を裏切られない、「いつもの」です。
一瞬、飽きたかな〜とも思ってしまいますが、次回作に益々期待ということで・・・。
少女漫画家のアイデンティティとは ★★★★★
星沢皇児がある朝目を覚ますと、とってもイケメンになっていました。

この超自然な設定以外は、リアルに話が進みます。
皇児は売れない漫画家でしたが、売れない理由は顔のせいではありませんでした。
とっても重い作風が災いしたのです。

「シンデレラは舞踏会に行きたくて自分の見窄らしい服が魔法の杖で美しい
ドレスに変わる夢をみたんです。そしてボロ着のままお城に向かったんですよ。
彼女の夢みる力が余りに強かったものだから、誰もがその夢に引き込まれて
しまった」

なるほど、思わず膝を打ってしまうような意見です。しかし程度の問題。
こんなことばっかりを言っていれば周りが疲れてしまいます。
彼を取り巻く女性たちと、彼は上手くやっていけるのか。
彼はもっと自分にのめりこんでいけるのか。

変身の話はうまく終わるのが難しいと思いますが、うまい結末が着いています。