重なった二人の想い
★★★★★
シリーズ9作目。第二章突入といったところでしょうか。
今まで直接的な関わりがなかった宿敵が、本作でついに英国へ入国。
ロンドンブリッジでの猟奇殺人事件から始まり、姿の見えない不気味な敵組織の存在が、
まるでロンドンにたちこめる霧のように、二人の周囲に音もなく忍び寄ります。
魔術めいた力を使う敵に立ち向かうため、想いを一つにしなければならない二人。
本心の見えづらかったエドガーが、アーミンに対し語ったリディアへの確かな想い。
守るためにも自分の未来のためにも、リディアを決して手放せないと感じた彼は
多少強引なやり方でも、何よりもリディアを守ることを最優先にすると誓います。
一方、エドガーの本心を勘違いしているリディアは、そんな彼の態度に不信感を
募らせながらも、苦しい戦いを前にした彼に、ついに「答え」を出します。
・・・このリディアの答えに対して、エドガーのたいした反応がなかったのがちょっと残念(笑
「取り換えられたプリンセス」のほっぺにキスの時も思いましたが、普段はガンガン攻めるくせに
リディアから予想外に反応が返ってくると、逆に固まってしまうのかしら、と思ってしまいました。(^^;
何はともあれ、二人の想いが決定的になった瞬間です!
やっとここまで来た、けど
★★★★★
喧嘩しながら、怒鳴りながらでも出てくるのは口説き文句。
さすがエドガー。でも、この巻で彼の本気がどこにあるのかはよく分かりました。
彼自身もはっきりとさせていますが、それをいつリディアにきちんと伝えられるのか。
伝える前にリディアが自分の中で納得してしまいそうだけど、それかアーミン経由か。
そして、ついに自覚したリディアはこの先どうなるのでしょうね。エドガーはリディアをすんなり取り戻せるのか?
すでにプリンスの目はリディアも捕らえているけれど、これからの話の展開が楽しみです。
いよいよ!
★★★★★
ついにエドガーの宿敵、プリンスとの対決が始まります。
今回は、エドガーとレイヴンの主従関係を越えた絆も描かれています。
レイヴンの中に潜む精霊の魔力と、それに対抗するレイヴンのエドガーに対する思い。
いつも抜けたボケで笑わせてくれるレイヴンですが、
エドガーを思うが故の複雑な心理が切ないです。
更に、お互いを想う気持ちをついに確信したエドガーとリディア。
二人の心がやっと近づいた!というかんじです
エドガーはリディアを危険にさらしても一緒にいたい、だから守る。
リディアはエドガーを絶望させたくない、だから一緒にいる。
二人の距離が縮まってさらに盛り上がってきました♪
他にもアーミンの思い、ケルピーの思い、物語の重要な所が書かれている巻だと思います。
二人の心境など、谷先生は心理描写がとてもお上手!!
今までの話から確実に近づいていく二人の関係を違和感無く読むことができます。
お話は山場に入ったらしいですが、これからもずっと続いて欲しい、
と願っている作品です。
やっと!!
★★★★★
やっとリディアの本音が明らかに!エドガーがリディアを愛しく思う心も、よく表れています。シリーズをずっと読んできた私でも、エドガーの言葉がうそなのか本気なのかがよくわからなかったりしましたが、この巻でエドガーの気持ちがはっきりと分かりました。
相変わらず暖かさが感じられる作品で、読んでいて幸せな気分になれます。
読まれて損はないと思います。