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ビルマの竪琴 (新潮文庫)

価格: ¥452
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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人生に絶望せずに前を向き、進んでいく勇気を与えられた一冊です ★★★★★
週末の旅先の本屋さんでたまたま目にとまり、買ってしまいました。

学生時代に見た中井貴一さん主演の映画の記憶がかすかに残っていたのですが、ほとんどストーリーを覚えておらず、もう一度どのようなストーリーだったのかということを思い出したかったという理由もありました。

著者は竹山 道雄氏。

この本は太平洋戦争後、すぐに執筆されたものです。私の読んだ本は新潮文庫より昭和34年4月15日に初版されています。もともと児童文学のために依頼されて書きだしたものだということですが、私はあとがきに書かれたその内容を読むまでは、実話だと思い、一言で言えば、ただただ感動してしまいました。

舞台は今のミャンマー。

連合軍に追いやられた小隊が捕虜になってしまいますが、他でも終戦を知らず、抵抗している部隊があり、その説得のために主人公の水島が一人で向かいます。その後、この部隊は最終的に降参するものの、水島は傷つき、人食い人種に手厚く介抱され、その後、お坊さんの格好をして、自分の小隊が収容されている捕虜の施設に向かいます。

その道中、無残にもなくなった日本人兵の亡骸に出会います。またビルマの人たちが国籍問わず、亡くなった人たちを供養している場面に出くわし、ただただ日本に帰りたいと考えていた自分の一人勝手な行動に疑問を抱き、最終的には本当に出家し、ビルマの各地でなくなった亡骸を拾っては供養するという人生を歩もうと決意します。

児童文学として書かれたという意味ではかなり深い意味を持つ本だと思いますが、人生の究極の意味を探し求めて、その疑問を投げかれられてしまった本だと思いました。

こういう戦争に関連する本を読むともちろん想像の範囲内でしか私達の世代はわからないわけですが、本当に今日本があるのはこういう時代をくぐり抜けて努力してきた人たちがいたからなんだなと感謝の念が絶えません。

絶望せずに前を向いて頑張ること、それを教えられたような気がしました。

本当にお勧めの一冊です。
あとがきと回想が素晴らしい。 ★★★★★
 余りにも有名な作品だけに読んだ気になってしまってる人は多いと思う。が、大人になってから読むと独文学者だった作者の透徹した戦中・戦後の日本への違和感と批判がそこかしこに込められているのがよく分かる。例えば、次のような一節が僕は目に止まった。

「ここにたけりたっている人たちは何か妙なものに動かされています。一人一人はあるいは別なことを考えているのかもしれません。しかし、、全体となると、それは消えてしまってどこにも出てきません。人々はお互いにあおりたてられた虚勢のようなものから、後にはひけなくなっているのです。」(140p)
 
 この言葉が、作者にとっては戦時軍国主義だけでなく、その反動としての戦後の英米民主主義礼賛や左翼的言論に対する違和感としても表明されていることには留意すべきである。(作者の回想にそのあたりは詳しい。)それでは、分かりやすい西欧民主主義やイデオロギーに立ち位置を選ばず、作者が拠って立ったのは何だったのか?それは、一高時代の教え子達を戦争で亡くした経験であり、その哀しみが作者にとって人生で最初で最後の「童話」を書かせたのだった。

 徴兵されておらずビルマに行ったこともなかった作者が、復員兵達に現地のことを尋ねても、皆、私的な思いよりも「社会的に通用している観念の方がたよりになる」(198p)ため、ジャーナリズム等により流布した以上のことを中々話してくれなかったというあとがきも興味深い。
一度は読んでおきたい作品。制作過程を明かした解説文も収録 ★★★★☆
 予備知識なしに本作を読み始めた場合、おそらく読者の多くは、これは本当に起こったことなんだろうかと考えあぐねるのでは思います。私もそのような読者の一人でした。戦争中の極限状態では何が起こってもおかしくないとも言われますが、それにしても、こんなことが起こりえるんだろうか、という疑問が浮かびました。しかし、本書に収められている著者自身による解説文(「ビルマの竪琴ができるまで」)を読んで疑問が氷解しました。本作はフィクションであるとのことです。このような解説文を執筆・掲載したことについて、著者の竹山氏と出版社の高い見識に敬意を表したいと思います。もし、この解説文がなかったら、もやもやした読後感が残ったのではと思うからです。
 さて、『ビルマの竪琴』には様々な読み方があるかと思いますが、私は、戦争の愚かさと戦没者の追悼をテーマにした作品だと感じました。このように簡単に言ってしまうと、ありきたりな話に聞こえるかもしれませんが、本作は、著者の竹山氏がたくさんの教え子の死に接してきただけあって、胸に迫ってくるものがあります。
 小説そのものについては、正直申して、やや美しくまとめすぎかなという気がしました。しかし、その点は、本書のテーマから見て、枝葉末節と考えるべきなのでしょう。大人も子どもも、一度は読んでおきたい作品だと思いました。
 なお、本書には、本編と「ビルマの竪琴ができるまで」の他、著者による簡単な「あとがき」と中村光夫氏による「解説」、平川祐弘氏による「『ビルマの竪琴』余聞」が収められています。これらも併せて読むと、いっそう理解が深まると思いました。
映画が見たくなりました ★★★★★
小学生か中学生の頃だったと記憶しています。
中井貴一さんが表紙と同じ格好をされて少し俯き加減で竪琴を弾き、顔を上げると薄く涙顔のようになっている場面を横にパーンしていく映画のTVCMを今も覚えています。

多分、多くの方が「絶対に忘れられないCM(ポスター、写真・・・)」ってあると想うのですが私には本作映画のCMがその一つです。
しかし映画は残念ながら見たことが無く、最近たまたま本作を本屋で見掛けて購入し読みました。

週末部は死生観や宗教観、人の尊厳などといった重たいテーマになるのですが無宗教、無神論者の私も感動し心が洗われました。

自分が所属していた部隊とビルマ(現:ミャンマー)収容所の2重フェンスを挟んで交わす音楽を通しての会話、第2次対戦終戦後に捕虜として抑留していた部隊と地元住民の交渉、主人公水島が手紙で語る住民や環境との対話。
前線に出たことが無くビルマの情報もない中、初めて書いたそれも子供向けの小説。

終戦直後で米軍の検閲もあり様々な規制がありつつもビルマの描写も奇跡的に現地とそっくりだったと後に知るなど幸運にも恵まれた本作。
作家ではない為に小説は本書一作品のみ。
非常に勿体ない。

最近は終戦記念日や原爆投下日前後の特番番組や映画も全く見なくなりバラエティー番組のコメンテーターが「終戦だからってわざとらしく何時までも戦争の映像流したり、日本が悪いと自虐的になることもない」といったコメントも聴かれる。
でも戦争を知らない世代に戦争がいかなる物かを知らせる為には機会を創って伝えるしかない。
「戦争は知らなくて良い」というものではないと改めて感じさせられた作品でした。

本作と全く関係ありませんが長崎への原爆投下日にラジオで「自分も原爆被害者二世になるんですよね」と(云われない批判されるだろうに)勇気ある告白をされた福山雅治さんにも感銘を受けました。
特に10代に読んで欲しい ★★★★☆
ミャンマーを訪れる機会があったので、その前にミャンマーのことを知ろうと思って読んでみた。本書はフィクションであるし、当時はビルマに関する資料も少なかったため、必ずしもここに描かれていることは事実ばかりではないが、それでもビルマ人の考え方などについては多少理解を深めることができた。若者向けの作品ではあるが、大人でも詠みがいのある本である。
ビルマの人々の質素な生活やおだやかな心にふれながら、つい日本と比較してしまう。文明の利器を持たないビルマ人と、文明の利器がなければ生きていけない日本人。どちらの方が豊かなのだろう。