最凶の10番
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ショスタコーヴィチの10番と言えばカラヤンが唯一録音したショスタコ作品であり、それが名盤とされています。確かにカラヤンの演奏は素晴らしい演奏でありますが、ムラヴィンスキーの10番はそれ以上です。カラヤン盤は明解な解釈で、万人に好まれるであろう演奏です。反してムラヴィン盤はロシアーな土臭さといいますか、カラヤン盤を超える荒々しさを持っています。(特に4楽章終盤のホルンのDSCH連発なんかがたまらない。)
ロシアーの苦手な方はカラヤン盤をオススメしますが、それに物足りなくなったら是非ともこのムラヴィン盤を推薦します。
これがショス10
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私が思うにこの曲はショスタコーヴィチのスターリンに対する異常とも言うべき怒りと憎しみがこめられている。
この曲はいつスターリンに消されるかわからない状況、それを実際に経験したものでなければ演奏ができない。
カラヤンの80年代の録音は演奏技術だけで見るとムラヴィンスキーのよりも上をいくかもしれないが、この曲の一番大切なものが欠けている。
マーラーが「楽譜には一番大切なものは書かれていない」と言った通りの演奏がこれだ。
ショスタコーヴィチの暗い情熱--ムラヴィンスキーの名演がこの作品の長所と共に欠点をも
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ショスタコーヴィチの交響曲第10番は、深く、悲劇的な作品である。中でも、その第1楽章は、ショスタコーヴィチの全作品の中でも、屈指の深い悲劇性をたたえた、傑作である。そこに込められたショスタコーヴィチの暗い情熱には、何度聴いても、感動を禁じ得ない。ただし、第1楽章が余りにも素晴らしい為に、それに続く第2、第3楽章が、そして、第4楽章すらが、この第1楽章の後では、少々皮相に聴こえてしまふ事が有るのは、皮肉な事実である。(こう感じるのは、私だけだろうか?)--このCDは、ショスタコーヴィチの親友であり、この第10番を含めたショスタコーヴィチの交響曲の多くを初演して来たムラヴィンスキーとレニングラード・フィルによるこの曲の演奏を収めたCDである。素晴らしい演奏である。特に第1楽章が、超名演である。だが、演奏が素晴らしい為に、逆に、この曲の欠点もが、感じられてしまふのは、皮肉と言ふ他は無い。即ち、第2、第3楽章の、そして、第4楽章の、少々皮相な面が、ムラヴィンスキーとレニングラード・フィルの名演によって、却って、他の演奏者の演奏による場合よりも、強く印象ずけられてしまふのである。私は、ムラヴィンスキーの音楽を深く愛する者である。この録音も、もちろん、例外ではない。だが、ムラヴィンスキーの生真面目さが、時として、この曲の場合の様に、作品の長所と共に、欠点をも、聴く者に強く感じさせてしまふのは、まさに皮肉である。名演であるが、あえて言ふなら、私は、この曲に関しては、カラヤンとベルリン・フィルの演奏の方を、より愛して居る。
(西岡昌紀・内科医)
最高の10番
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これは凄いライヴ。オーデオのメーターが心配なほどのクレッシエンドからピアニシモでは観客の服のこすれる音まで、そんなダイナミクスがある。途中で同じ女性が咳をしてるのが気になるけど、とても寒かったんでしょうね当時のソ連の会場。コンドラシンらの録音も凄くよかったけど、これは今までで最高。音も全然普通に聴けます。ステレオですもちろん。