プレミアムのとらえ方自体が難しい
★★★☆☆
ちょっと贅沢なビールなど大衆消費におけるプレミアム商品を対象にするのか、100万円のバッグを売っている高級ブランド品を対象にしているかで分析は大きく異なる。顧客セグメントが全く違う。筆者も苦労したものと思える。機能と心理の両面というマーケティングの原則で分析をしているが、他のフレームワークも期待したいところであった。一方で、消費の時代変化と開発の方向性を示唆しようとする姿勢があり、単に評論するのではないところにコンサルタントとしての姿勢を感じる。
プレミアムを論じつくした良著
★★★★★
ビールから時計、高級車まで乱立気味に使われる「プレミアム」をキャッチコピーではなく戦略として捉え、
その言葉の意味するところ、プレミアム商品が売れるメカニズム、
消費者のニーズ分析、そしてプレミアムの作り方まで論じつくしており、非常に深い内容である。
そのどれもが要点のみを簡潔にまとめてあり、本に引き込まれるように読み進めることが出来る。
これだけの内容の濃さならば、消費者側と企業側の二冊に分けても充分成立するほどだ。
最後に、高級製品が生まれにくいと言われる日本において生み出され、
成功したプレミアム商品を7例紹介しており、非常に興味深い。
プレミアムに関する分析・戦略論・マーケティング論・行動経済学。
そのどの分野でラベリングしようとも成立する、良著であると評価したい。
フラッグシップとは何か
★★★★☆
「フラッグシップ」とその下のブランドとの関係性について、いろいろと考えるきっかけとなりました。なぜ日本に今までこのようなプレミアム論の本がないのかは不思議です(こんなに生活の周りにプレミアム商品があふれているのに)。
プレミアムとは何?どうやって作るの?に答える平易な解説書
★★★☆☆
150円のコーヒーから○千万円の高級車迄、様々なジャンルで「プレミアム」という言葉が濫用される中、「そもそもプレミアムとは何?」を論じるだけでなく、最終的には「プレミアム作りの方策」も指南しましょうという結構野心的な書。
プレミアムとは単なるキャッチコピーではなく「思想」「戦略」であり、圧倒的に優れた「機能的価値」に加え「情緒的価値」(=精神的満足に繋がる物語)が必須と筆者は説く。「究極のモノづくり」と「究極のストーリーづくり」が融合して初めて、買い手を「ワクワク、ドキドキさせる」プレミアムになれる、という訳だ。では人為的にプレミアム感を生み出すにはどうするか?ということで、8つの原則(派手に広告しない/枯渇感を醸成する/販路を絞るetc.)と5 つの施策(本物の職人を育てる/上場にこだわらないetc.)を呈示している。
論旨も明解、文章も平易で納得しながら読み終えたが、この本の通りにやればプレミアム品が作れるのか、と言えばきっとそうではなく、またそう易々とは行かないからこそプレミアムはプレミアムなんだろうね。
ボクにはあいませんでした
★★★☆☆
「現場力を鍛える」「見える化」「ねばちっこい経営」に続く
遠藤さんの著書ですが、残念ながら、私には余り響きませんでした。
プレミアムとは何か?
何をどうすることで、プレミアム戦略を成功させることができるのか?
成功例と比較事例を元に、分かり易く説明されています。
プレミアムモルツはなぜ成功したのか?
ポルシェはなぜ成功したのか?
高級ブランドのエルメスはなぜ魅力的なのか?
から、
日本のブランド意識はどうなのか?
みたいなところにまで触れています。
価値あるモノであれば、後はストーリーと
サービス提供側のこだわりが必要なんです。
とか、
製作者側の想いが、消費者の心をくすぐるんです。
この時に大事にしないといけないのは「らしさ」です。
といったところに、そーだね。
って感じましたが、色々なサービスを享受していれば、
これくらいは分かるかな。ってところで、
自身にとっては余り参考になりませんでしたが、
入りやすい本であるとは思います。