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ハイドラ (新潮文庫)

価格: ¥389
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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35kgの体ってセックスに向いているのか? ★★★☆☆
第130回芥川賞受賞作家と言うことで、私にとっては綿矢りさと共に注目して読んでいる作家。デビュー作からこの作品にいたるまで、読む苦痛と言いましょうか、痛い表現や気持ち悪い描写にかけてはぶれる所がなく、この作家の持ち味になっているのはよいのだが、どの作品を読んでもきれいなお嬢さんの無色透明なストーリーにしか読み取れないのが残念。この主人公は体重が35kgで、二人の男とセックスしているが、ガリガリの女と私はセックスが出来るのだろうかと読んでいて思った。ちなみに”金原ひとみ”を検索したらすでに結婚して出産もしたとか。少しは作風が変わるだろうか?
現代の若い女性の真の悩みが込められていそう ★★★★★
と思ってしまうのは、私がオッサンだから?
でも面白いですね。ここまで自分をさらけ出してしまう著者は既に冷徹な目を持って人生を歩んでいる気がします。
なかなかこの若さでできることではありません。
次作はもっと大きな舞台で暴れまくって欲しい。
希望なんて、要らない。 ★★★★★
過食症ではなくて、正確にいうと、
チューイング(噛み吐き)を伴う拒食症の女性の話。

読んでみて…いろんな意味で衝撃的。
さるきちには、ひどく、しっくりとくる作品だった。

それは、描かれているのが、
まさにさるきちだったから。

彼女の心情、行為には共感できる部分が多かった。

“例の行為”、その描写はかなり忠実で、
経験者か?と疑いたくなるほど。

他の読者のレビューを見てみると
「気持ち悪い」っていう感想も多かったんですが、それも納得です。

残念ながら、エグくてね、
同業者のさるきちだっておののいてしまうほど。

ストーリーは、
同棲しながらもそこに愛情はなく、
「仕事」という名目だけで
つながっているカメラマン、新崎に

「愛された」くて、

「捨てられたくな」くて、

「傷つきたくな」くて、

拒食症を武器に
新崎の被写体となっていた早希。

ところが、あるライブで
バンドのボーカル松木に一瞬で恋に落ちる。
それは、彼女にとって劇的な出会いだった。

松木とのつきあいが始まる一方で、
彼女のココロは揺れ動く。

純粋に愛してくれる松木。
「SAKI」というアイデンティティを与えてくれる新崎。


物語は、決してハッピーエンドで終わるわけではない。
救いがないことに対して不満の読者もいよう。

しかし、さるきちはよかった、と思った。
もしも希望を持たせるような終わり方であったならば、
リアリティーに欠けていたと思う。

それまで早希と自分を重ね、夢中になって読んでいたのに、
一気に熱が冷めていただろうと思う。

ここまではっきりと摂食障害を描いているのならば、
ちゃんと責任を持って突き放して欲しい
とさるきちは、思ったのだ。

そして、金原ひとみは実際そうしている。
さるきちの、歪んだ期待を裏切っていない。


希望なんて、この作品の結末には、いらない。


断っておくと、
さるきちは現実世界において摂食障害に苦しむヒトたちに
希望がないと言っているのではないですよ。
さるきち自身もそう、きっといつかは治るだろうって、
希望を持ってるし、そう信じています。

ただね、小説という虚構の世界においては
妥協策で終わりにしてほしくなかったのです。

ハッピーエンドはこの小説の長さ、内容では
短絡的すぎるでしょう。

次回作でそれを叶えてほしいと、
金原氏の今後に期待するのでした。


摂食障害、もしくはなんらかの依存症を抱えるヒトには
きっと興味深く読める作品だと思います。

図書館で借りた本だけど、手元に置いておきたい
さるきちにとってはそれほどまでの
なんていうか、貴重な本。
心理小説として、秀逸 ★★★★☆
金原ひとみさんは、あるジャンルを確立した感がある。
恐らく、今後歳を重ね、価値観や物の見方が変化するごとに、
鮮やかに自作からの脱皮を図るだろうという気もするが、
現時点ではこれでいいのでは。
若手の中ではナンバーワンの洞察力だと思う。
特に20十代前半の、自分をまだ確立できていない、が、社会の中で生きて行かなくてはいけない人間の、浮遊感や焦燥感や虚無感の表現は秀逸。

なぜ、主人公が奴隷化から逃れようとしないのか、
それがこの作品の心臓部だ。
それを表現するための対比としてのミュージシャンの男とのエピソードは、
あくまで手法にすぎない。

主人公が唯一、現在の自分、でいられる場所。
それがカメラマンの男の目前でしかない、という、存在意義。
存在するということとは、自分とは、というテーマを、
金原ひとみは、きちりと読者に投げかけている。


ネガティブの強さ、ポジティブの脆さ。 ★★★★☆
摂食障害の主人公は、カメラマンの彼氏に
見えない束縛をされながら生きている。
そんな主人公の前に現れる、
松木というロックスターの救世主。

自分にも彼氏にもない、ポジティブさで
救ってくれようとするが、
きれいごとにしか聞こえなくて。。

世の中の人間を2種類と考えるなら、
私は完全に松木側だ。

主人公のようにしか生きられない人もいる。
松木みたいにしか、生きられない人もいる。

ネガティブの強さ、ポジティブの脆さ。
読み終わって、少し哀しくなったけど、
こういう心理を描ききる金原さんはすごい。