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自分の顔が許せない! (平凡社新書)

価格: ¥798
カテゴリ: 新書
ブランド: 平凡社
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誠実さを競う格闘技 ★★★☆☆
右半分の顔面に生来の大きなアザ(血のかたまり)を抱えたフリーライターの石井政之と、
美貌を追求するあまり自らの顔に美容整形まで施し(さらにその手術風景をカメラに撮らせ)
た作家・中村うさぎによる、顔をつきあわせての顔についての対談。

整形から化粧、サイボーグまで、話題は多岐にわたる対談ではあるが、二人のそのものの
考え方から立ち位置まで、通奏低音する違いがある。中村が社会の「内部」にいながら自己
によってこしらえた「他人」によって感じる違和感を元手に考えを深めていくのに対して、石井
はそのアザを受け入れた時から社会から「降りて」、そこから自分の顔を奇異の目で見つめ
てくる他人を冷静に「観察」するという姿勢なのだ。だから中村が最終的に拘泥するのは自己
という名の他者なのに対して、石井のそれは「自己と差異化される他者」だ。

この対談でのうさぎ嬢の「いつも」が出ていないのではないか、相手に気を遣ったのではないか
という評者の意見があるみたいだが、彼女の持ち味というのはその過激な言動そのものではな
く、あくまでどこまで自分に嘘をつかず物事を考えるかという誠実さにこそあると思う。「過激だか
ら告白するのではなく、物事の根本を疑うほどの誠実さだから結果的に言動も過激になってしま
う」のだ。そこんところを、少なからぬ読者は勘違いしているように思える。この本でもちゃんと、
「自分がなぜこの件で過激になることができないか」を、ちゃんと「誠実に」吐露している。

ただ、二人がサルトルや柳美里の件の『石に泳ぐ魚』にふれるあたり、文章にその人固有の身体
性に根ざした思想を反映させるべきだというのだけれど、それはどうだろうか。それを推し進めれば、
例えば文学では畢竟小説はリアリズム小説や私小説だけとなってしまう。そもそも文学をはじめと
する文字文化というのは、<いま・ここ>にある「ままならない身体」から遊離して、自由な想像力
をもって「世界」を築き上げることが利点の一つであったはず。特にジュニア文学出身の中村がリア
リズムに傾くのは不思議でならない。
身体的特長を話題にするとこうなる? ★★★☆☆
対談を読んでも、特筆すべき点がないな〜と思っていたら皆さん同じ感想なんですね。対談者の相性問題というのはこれまで考えてなかったのでそういう意味で勉強になりました。
それなりに面白い ★★★☆☆
はちゃめちゃな中村うさぎを期待していた人には肩すかしかも。
ただ、こういうのも別にいいんじゃない、と。
二人の著者の共通点はカオであるわけですが、人として
こういう人たち(整形しかり、アザを持っている)に話を
聞いてみたい、という覗き見シュミ的心情を満たす(?)内容です。

アザや整形に関してルポルタージュを読めば、現状をより詳しく
知ることができるとは思いますが、ご本人のリアルな心情を
知る、という意味で対談形式は決して悪い方法ではないのでは。

関心しつつ、ひいてしまいつつ。 ★★★☆☆
軽い対談のようで真面目な話の連発、期待せず読んだので興味深く読むことができた。多少さぎさんがおとなしくふるまい、石井さんがマイ理論を楽しそうに披露しているという感じが強い。

 ちなみに、石井さんのアザは正式名称・単純性血管腫というもので、皮膚の表面に血管が露出しているということらしい。そう聞くと、ふーんそうなんだと思うけれど、だからといって簡単には治らないらしい。完全治癒するなら治療は受けるが、隠すためのメイクは嫌だという石井さんの言葉が印象的。但し、痣をかなりウリに使っているなと思った。

あれ、どうしちゃったの? ★☆☆☆☆
 中村うさぎさんの持ち味の豪気さ・無頼な感じは、この本では影を潜め、なんだかフツーの話ばかりで退屈だった。彼女のような人が、ありがちな「社会評論家」風になっては魅力が失われる思う。その点、対談相手に不足あり、なのでは。面白い話に呼応して面白い話が更に生まれていく、という座談の妙がないんだもの。対話者当人の認識以上に、実は二人の相性はよくないのではないかと思う。