いい本です
★★★★★
改めてセブン&アイホールディングス会長鈴木敏文氏の凄さを感じました。
この本は、すごく良いです。
改めて「突き詰めることの大切さ」「挑戦する心の大切さ」を感じました。
これは、世の中のためになることを、何か成し遂げた人、すべてに共通する姿勢のように思います。
勉強になることはとても多かったのですが、ハッとさせられたのが、以下の言葉でした。
「お客様のために考えていては、まだダメだ。お客様の立場になって考えよ。」
”お客様のために”と考えている時は、自分という立場から物を見ている訳で、どうしても自分の都合の範囲でしか発想が出て来ないということ。
まったくそのとおりでした。
顧客思考の教科書のひとつ
★★★★☆
顧客を軸にビジネスを行う重要性と、具体的な考え方を学べる本です。
P44 大切なのは「相対的な競争」ではなく「絶対的な価値」を追求すること
事業を展開していく中で、3C分析を利用するため、競合を意識します。
ただ、競合を意識し過ぎるあまりに競合に勝てばそれでいい。と勘違いしがちです。
NO.1は当然で、ONLY1を目指す会社にしたいと思えるきっかけを
つくれた非常に印象的な言葉です。
P186 部下は常に自己正当化する存在だから追い詰めることが必要
セブンイレブンのチャーハンの話はとてもわかり易いケースです。
部下を育てたいならとことん追い詰めるそのマインドが組織を強くします。
チャーハンが売れているからいい。ではない
自分たちが納得できていないものが売れていれば、売れているほど、信頼を
失っていることに気づかなければならない。
常識のウソを見抜く
★★★★★
常識のウソを見抜くことから新たな発想が始まる。
消費は多様化しているというのは本当か。それなら多数の商品が満遍なく売れるはず。ヒット商品がいっせいに売れ、短期間で売れなくなる。これは消費の画一化以外のなにものでもない。
アイスクリーム市場は縮小しているが、高級アイスは売上を伸ばしている。これを、消費は飽和状態だから仕方ない、高級品はまた別の市場だという常識を信じていては、ヒット商品は生み出せない。高い価値にはお金を払うのに気付けば、同じようなオリジナリティのないアイスをだしているメーカーに問題があると気付くことができる。
「顧客のために」というのは、売り手側の発想にほかならない。「顧客の立場」で発想すれば何をすべきかが見えてくる。売り手が「顧客があきる(ほどおいしい)商品」を次から次へと供給し続けるという非合理なことを行なうことによって、初めて顧客から高いロイヤルティを得ることができる。
自分たちが納得できないものが売れていることに危機感をもて。セブンイレブンはこの程度かと思われては売れればうれるほど、信用は失われていく。
一言一言に重みを感じた。
「あのコンビニ」の弁当が美味しい理由
★★★★☆
コンビニ弁当の中ではあそこの弁当が一番旨いと常々思っていたが、この本でその理由が分かった。それは、妥協の無さだった。この本で教えられるのは、技術や経験についてではなく、仕事への姿勢、考え方の話なのだ。
若者に限ったことではない。管理職のレベルだって、「落としどころ」とか言ってあっちとこっちの顔を見ている小賢しさではもう、この時代は通用しない。
仕事は「考え方」だ。「○○仕事術」でも「スピード○○術」でもなく。この人と仕事がしたいか、この人が言うならやってみようと思えるか、その人が生き抜けるかどうか。それらは全て、その人の姿勢であり考え方だ。そしてそれが、仕事相手だけでなく、顧客にも伝わる。そう、教えられる本。
他にも、今はびこっている低価格戦略やコストについての考え方等、たくさんの鋭い考察がある。
すべての会社員におすすめ
★★★★★
本を閉じ、タイトルを目にするたびに、仕事のやり方を変えてみようかと思わせてくれる。
本気で仕事に挑戦し、経営の質を高めてきた著者の意識が整理された一冊である。
本に傍線を引くなら異なる意見や反対の考え方のところにすべきと言う。
「小型店が凋落しているのは本当に大型店の進出のせいなのか。」の主張に線を引かせていただいた。
確かにコンビニという小型店が繁栄していることは周知の通りである。
しかし、小型店を個人商店でイメージすると印象は変わる。
コンビニの品揃えや流通変革には、大資本とそれを築く中で培った信用が働いている。
お客様の立場に立って考え行動できる規模とスピードに差がつくことであろう。
主張を鵜呑みにせず、自分なりに考えさせてくれるのも著者のセンスの良さである。