エルサレムから世界をみる
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エルサレムという特殊な町から見た世界の風景を描く。第一部は古代エジプトの文献、旧約聖書に現れるエルサレムから、ササン朝ペルシャの時代まで。第二部はイスラム興隆時代のエルサレム。十字軍の侵攻時代をイスラムの治世と対比。現代のアラブとイスラエル紛争にまで尾を引いていることを指摘。第三部はイスラエル建国以後のエルサレム。4千年に及ぶエルサレムの歴史という窓をとおして、世界歴史の一断面を見せてくれる入門書、解説書だが、ダビデ王以前のエルサレムには“ツェデク王朝”があり、その「いと高き神」がアブラハムの神と同一視された、といった見解をさりげなく披瀝するユニークな本。著者はエルサレム在住25年の経歴を有するが、現代の錯綜したパレスチナ・中東問題に対する叙述は客観的、かつ公平である。
旧約聖書は歴史か物語か・・・
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先ず“あとがき“を読んでひき込まれました。
イスラエル・戦いのニュースを聞く度に理解できずに来た遠い国です。
筆者は丁寧な文章でユダヤ教、キリスト教・イスラム教・イスラエル(エルサレム)・パレスチナの長い歴史を系統立てて書いています。一部、二部は物語のように進められていて楽しく読めるし、三部はイスラエルの建国から現在までの深刻な状況を知ることができます。
エルサレムについての知識がない人には知るチャンスだし知っている人には再認識のチャンスです。
読み終わった時に得をした気分になりました。
一冊で2度楽しめました
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長いエルサレムの歴史を、色々なエピソードを織り交ぜてわかり易く書いた本です。筆者の経歴を最大限に生かし、前半は色々な古文書の解釈等を通じて、後半はエルサレムに住んでいた際の実体験を通じて書かれており、大変興味深くあっという間に読み終えました。後半部分は一連の中東戦争、そしてインティファーダ後のイスラエル・パレスチナ和平交渉の歴史としてもコンパクトにまとまっており、大変参考になりました。読み終わったら、この本を持って、またエルサレムに行ってみたくなりました。