バート・バカラック＝ハル・デヴィッド作曲の「世界は愛を求めている」や「恋をあなたに」のヒットで有名なジャッキー・デシャノンは、81年の「ベティ・デイビスの瞳」なども手がけた作曲家としてもなかなかの活躍をした人だそうで、このアルバムは60年代のブリル・ビルディング・ポップス時代の彼女が作曲した曲を集めた編集盤です。
　UKのエースが出したソングライター・シリーズらしく、サーチャーズやブレンダ・リーの小ヒットを始めとしてマニアックな選曲が目立ち、彼女の代表的なヒット曲は収められていません。そうはいっても、ヒットしなかったのが不思議なアーマ・トーマスのBreak-a-Wayなど多くの曲作りで共作したシャロン・シーリーとの曲、ジャック・ニッチェや意外なことにジミー・ペイジとの共作も聞けたりします。そして、甘いポップスからフォーク・ロックの影響を受けたアコースティックな曲、そして最後にジャッキー自身の素朴で可憐なフォーク調の未発表デモも聞けたりと、ギターを弾くポップスのソングライターという結構独自な立ち位置にあった彼女の幅広い音楽性が伺えます。