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組織を変える“常識”―適応モデルで診断する (中公新書)

価格: ¥798
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論新社
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組織を考えるときに ★★★★☆


 「我が社の常識は世間の非常識」飲んでいるサラリーマンの口から良く聞こ
えてくる言葉です。
 「業界の常識」と言う言葉もあります。食品の偽装行為も、業界の常識と、
世間の常識の違いが偽装の温床になったりしてしまいます。
 著者はおごれる平家のような組織で権威主義に閉じ込められた私見が、
外部に出てきた物と解説しています。
 食品業界の偽装事件も、組織自体が暴走してしまった結果だと思います。
 組織を理論的に考えるときの参考になる一冊です。
組織を「認識」面からとらえた良書 ★★★★☆
本書の主な内容は、副題にも書かれているように「組織を適応モデルで診断する」ということである。その意味では入門書としても適切だし、新たな視点を提供してくれるので有益だといえる。特に組織を意思決定主体ではなく認識する主体という視点から分析している面は新鮮で面白いと感じた。
また不確実性が高い世の中では、よく「トライアンドエラー」方式が好まれるが、なぜこの方式が優れているかをロジカルに説明してくれる本である。一方著者は独自の用語を創造しているが、私は最後まで慣れることが出来なかった。また用語の使い方にしても、例えば不確実性がなく常識が堅固になっている局面を「革新的」と呼んでいることにやや違和感を感じた。読者によっては言葉遣いや用語に戸惑いを感じる方もいるかもしれないが、内容的にはアカデミック関係者だけでなくビジネスマンも十分知見が得られる本である。
理論自体は面白いのだけれど ★★☆☆☆
 新書に論文のような厳密さを求めているわけではない。しかし、ここまで雑になるといけない。
 例えば、著者は本書でたびたび国や家族等を例に出して理論を説明しているが内容が浅くなぜ経営学者なのになぜ企業で説明しないのか理解できなかった。正直に言って著者の書きたい事と書けることにギャップを感じた。
 私は専門外の事を書くなと言いたいのではなく、この本は専門の範囲内で書けたはずだし専門外のことを書くにしてもきちんと誠意を持って書くべきだと言いたい。

 私は組織認知論の本が読みたくてこの本を手にとったのであってエッセイが読みたかった訳ではない。

組織は、なぜ変わるか、どうしたら変わるか ★★★★☆
環境との関係などで、組織で「常識」と思われていたことが変化する。それに対応して組織も変化していく、組織の「適応モデル」を説明した本です。前半は、この「適応モデル」のモデリングの説明です。いろいろな事象から、モデルを組み立てて行きます。また、「よい組織」とは等関連する話題についての議論もあります。後半は、「組織を変える、適用させる」ためのキーとなるコミュニケーションや教育等について具体的に記述されています。

理論的な本です。なぜ「組織は変わるのか、あるいは変われないのか」を説明するモデルの構築のための説明が、ホトンドです。薄めの本ですが、なかり読み応えがありました。提案されているモデル自体は、単純な分、強力な気がします。頭にあって、けっして損しないモデルであると思います。

常識・・・家族から国際社会まで網羅するキーワード ★★★★★
<認識>・<意思決定>・<行為>という「組織経営のサイクル」において、第二次大戦以降、<行為>から<意思決定>へと相対的ウェイトがシフトしてきたと言われているけれども、著者はさらに<意思決定>から<認識>への視点のシフトを提唱している。
その視点から、<常識>と<互解>というキーワードで諸行無常の組織を明快に解説されていて、思わず納得させられた。
また、教育に対する論述では、日本を良くしていきたいという著者の強烈な願いを感じた。
著者の更なる活躍とまた新たな著述を期待せずにはいられない。