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空軍創設と組織のイノベーション―旧軍ではなぜ独立できなかったのか (ストラテジー選書)

価格: ¥1,995
カテゴリ: 単行本
ブランド: 芙蓉書房出版
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組織論への新たなアプローチ ★★★★★
本著はストラテジー選書の7作目だが、このシリーズは
必要な用語解説や背景説明が本文上部に記載されているため、
非常に便利である。

内容は、空軍・空自の創設というイノベーションの過程を
組織論の枠組みを使って説明するもので、
「イノベーションにおける組織合理性の重要性」
がキーワードとなっている。

著者は、イノベーションに必要な合理性として挙げられる
「戦略的合理性」「技術的合理性」にくわえて
極めて重要だが見落とされがちな「組織合理性」を軽視してはならない
と指摘する。

イノベーションにたずさわるリーダーにとって、組織合理性の確保という
着眼点は、日常的であるが故に無視しがちであり、著者の指摘は新鮮かつ
有益である。

ビジネスリーダーから「実に役立つ」という評価が高いことをみても、
本著は現在のビジネス界に求められていると感じる。


戦史・戦略研究家や自衛官だけでなく、ビジネスマンにも役立ちそうな内容 ★★★★★
 一回限りの因果関係の検証になりがちな歴史的アプローチの限界を克服し、一般的な組織の革新に反映できそうな因果関係を探ろうと、政策決定論や組織論という視点で、旧軍では空軍が創設されなかった理由を考察した点は、ユニークでなかなか面白かった。結論は、経営学にも応用できそうで、戦史・戦略研究家や自衛官のみならず、ビジネスマンにも役立ちそうだ。
 部分最適を追求しがちな組織内の抵抗勢力や派閥を、ともすれば否定的に捉えがちである。しかし、特に印象的であったのは、人の意志決定には置かれた立場が前提になるのは当然のことと現実を肯定し、あとがきで「組織のイノベーションのためには、長期的視点から目的と目標を見極め、戦略的合理性、技術的合理性に加え、組織的合理性の三つのバランスを図り、トルーマン大統領のように粘り強く弁証法的に問題を解消していくための戦略が必要とされる。」と締めくくっているように、組織的合理性という概念を提唱している点である。
 ただ、継続性を前提に旧軍の失敗例と航空自衛隊の成功例を比較していたが、一般化して説明していたとはいえ、置かれた状況が違う類似組織を比較することにやや無理があるように思えた。比較しなくても、それぞれ十分に説明できるのではないだろうか。
 その他、田母神事件でも話題になった旧軍の統帥権に関しても、その経緯、法的根拠、天皇の位置付け等もわかりやすく説明されている点も参考になった。また、経営学の用語や軍事用語を解説した頭注も勉強になった。