グローバル人材不足
★★★★☆
日本企業におけるグローバル人材の不足が指摘されて以来、その状況は今日に至るまでほとんど変わっていない。
この本は、グローバルリーダーシップ・コンピテンシーのモデル開発に挑み、500名を超える各国グローバルマネジャーとその上司からのアンケート結果を基に、グローバルリーダーの条件を導くこうとした意欲的な作品であり、研究成果ともいえる。
グローバルリーダーの条件を、これまでの先行研究を踏まえて緻密に積み上げモデル化し、また環境適合理論と融合し、環境(地域性)によりリーダーに求められる条件も異なってくることを定量的に示すことに成功している。
ただ、リーダーシップを議論する場合、企業毎に求めるリーダーシップ像(人材像)が異なることが予想されるため、自社に取り入れる場合にはカスタマイズが必要になろう。仮にグローバルリーダーの条件を特定できた場合、次のステップとして、いかに育成するかは今後の課題となる。