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イスラエルとパレスチナ―和平への接点をさぐる (中公新書)

価格: ¥735
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論社
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パレスチナ問題の入門書として(少し古いが…) ★★★★☆
シオニズム運動の始まりから、イスラエル建国、第一次中東戦争、第二次、第三次、第四次、キャンプ・デービッド合意、レバノン戦争、第一次インティファーダまでの大局的な歴史的事実が詳述されるなか、占領地やイスラエル国内のパレスチナ人などの情勢や人々の様子にも言及があり、政治の激流に翻弄される個人という視点を歴史の文脈の中に落とし込むことができている。本書全体にわたって見られる筆者のバランス感覚が、よく表れている良書。

数年前に読み、今回改めて再読したのだが、色々な発見があった。ヨルダン川以東の現ヨルダン領も、イスラエル(パレスチナ)の領地として、イ・パ双方の一部から主張されていた(されている?)という話が興味深かった。
この本が古く成らない理由は何か? ★★★★★
1989年に書かれた本である。従って、初版が出てから、既に20年以上が経って居る。だが、2010年の今、この本を読んでも、古さが全く感じられないのは、何故なのだろうか?理由の一つは、著者の記述が精緻で、内容が非常に分かり易い事に有る。だが、もう一つの理由は、この本が書かれた頃から今日までの間に、パレスチナを巡る状況が、詰まる所、大きく変はらなかったからなのではないだろうか?つまり、湾岸戦争(1991年)やオスロ協定(1993年)、9・11事変(2001年)、イラク戦争(2003年)と言った地殻変動を経ても、パレスチナを巡る状況は、この本が書かれた1989年から今日まで、本質的には変はって居ないと言ふ事である。現実が変はらないが故に、この本は、古く成らないのである。遥か遠くへ来た積もりが、実は、お釈迦様の手の平から一歩も出て居なかった孫悟空の様に、中東和平への努力は、この本が叙述する歴史の手の平から外に出れなかったのである。この本が古く成らない事を、この本を書いた立山良司氏は、悲しんで居るに違い無い。−−本書の冒頭に引用されたユダヤ人女性ダリア・ランダウのパレスチナ人バシール・へイリへの手紙は、こうしたパレスチナの状況を見事に要約して居て、痛ましい。

(西岡昌紀・内科医/チェルノブイリ原発事故から24年目の日に)
研究者が誠実に記述した良書 ★★★★☆
日本が誇る中東問題の研究者・立山良司防衛大学校教授による出版当時としては、イスラエル、パレスチナ両方の主張をバランス良く載せた優れた解説書であった。しかし如何せん1989年の出版であり、記述がかなり古くなってしまっている。本書だけでは、現在のイスラエル・パレスチナ問題の状況を知るのは困難である。例えば、パレスチナ難民の発生原因については、当時は必ずしも確定していなかったため、イスラエル軍によって追放されたというパレスチナ側の主張とパレスチナ人が自発的に立ち去ったというイスラエル側の主張とが並記されている。しかし、現在では、この問題は学問的にはほぼ決着がつきつつある。大多数のパレスチナ難民が直接的・間接的なイスラエル軍の攻撃により追放されたというのが主流学説である(例えば,Ritchie Ovendale, The Origins of the Arab-Israeli Wars (Origins of Modern Wars), Addison-Wesley; ISBN: 0582368952; 3rd Edition (1999/09/30))。これはイスラエル側の軍事資料や諜報活動の資料からもほぼ立証されたといえる段階にある(Benny Morris, The Birth of the Palestinian Refugee Problem Revisited (Cambridge Middle East Studies), Cambridge Univ. Press; ISBN: 0521009677 ; 2nd Edition (2004/01/31)) 。1989年の出版であるから、当然その後のオスロ合意とその破綻、シャロン政権成立による泥沼の状況等、現在の重要なトピックが登場しない。にもかかわらず、パレスチナ問題の解決を願う研究者が、当時の知見により学問的に誠実に記述した良書と言える。
対立の歴史を知る好著 ★★★★★
イスラエル側、パレスチナ側双方でキャリアを積んできた著者だけあって、
混迷する問題に対し、バランス感覚を随所に発揮しながら、平易なタッチで書き綴っています。
出版されてから時間は経っていますが、パレスチナ問題の基本を理解するために、これ以上の好著には未だ巡り会っておりません