目からうろこの読書術
★★★★★
・読んでも頭に入ってこない
・内容を忘れてしまうから、身に付かない
このコピーにひかれて読んでみました。
私には大変参考になり、これからいろいろ試してみようという気持ちになりました。
早速、今まで丁寧に読んでいなかったであろう本を、自分の本棚よりピックアップしました。(たくさんありました)
「赤線」を引きながら改めて読み返しましたが、最初は気付かなかったものの2度目に読んだ際には
何だか鼻につく部分が出てきたような・・・
この本、何度も読み返します。
本を読むことで得られる効用の数々
★★★★☆
筆者の一条真也氏は、冠婚葬祭大手(株)サンレーの社長で、北陸大学未来創造学部客員教授、京都大学こころの未来研究センター共同研究員という方です。
アウトプットすることの大切さが61ページに書いてありました。「とにかく書くことで、頭の中が整理され、どの引き出しに何が入っているかが明確になってきます」。書くことの訓練が読者の成長に役立っていることを具体的に説明しています。確かにレビューも含めて書くことによって頭に定着していくのは間違いありません。本の捉え方も的確になっていきますので。
168ページに読書の最大の効用として、心を豊かにすること、「教養」について書かれています。人間的魅力につながる話で、読書から得られる大きな糧なのでしょう。
何かを得るための読書というのは功利的であまり好きではありません。読書の結果、「教養」も身につくことがある、というぐらいの気持ちのほうが納得しますので。
本書の内容です。
第1部 技術篇 本を読む(本が読めないのは頭が悪い…わけではない 著者像を具体的にイメージする 目次読みの重要性 「まえがき」を熟読する 本に線を引く アウトプットをイメージする 読み返しの作法 あらゆる本を面白がる技術 難しい本は染み込ませる 「読み終える体験」を記憶する 読書の場を演出してみよう 本との出合い方、本の選び方 興味が果てしなくひろがっていくDNAリーディング)
第2部 思想篇 本を捉える(速く読むと得する本、速く読むと損する本 読書でお金は儲かるのか? 社長の読書 なぜわたしは古典を読むのか? 最強の勉強法、天才になれる読書 「死ぬのだって怖くなくなる」癒す読書 読書の効用 教養としての読書 極私的読書体験を明らかにする)
読書術ではなく、著者の「読書に対する思い」を語った本
★★★☆☆
■概略
著者は冠婚葬祭会社サンレー代表取締役社長にして、
北陸大学でリベラルアーツを教える客員教授。
年間700冊を読み月間10本の連載をこなす現役の経営者が、
「読書」における技術と思想について独自の視点から語っています。
■感想
本作は読書にける技術を紹介する「技術篇」と、
読書における(著者の)思想を紹介する「思想篇」の前後半からなります。
技術篇では
・読む前に著者のプロフィールを調べることで
語り手をイメージできるようになり、内容が頭に入りやすくなる
・最初に目次をよく読んで全体のアウトラインを掴むことで、
全体の流れを見失うことなく論理展開を把握することができる
・赤ペンを使い重要な部分を「見える化」することで
インプットをより効率的に行うことができる
といった、至極当たり前のことではあるが意外と実践できていない事柄について
言及しており、改めて自分の読書方法を見直す機会になりました。
そして後半の「思想篇」はまず、最近流行りの「〜リーディング」や
「年収が10倍になる読書法」といった本についての批判に始まり、
次に著者が読書から何を学ぶことができたか、なぜ学ぶことができたか等の
体験談という構成になっています。
が、この部分は完全に「著者の意見」であり、
特に最近流行りの読書術的な本に対する批判は本当にただの「批判」に終始していると感じました。
この著者の読書に対する情熱はすさまじいものを感じましたが、
逆にただの「読書バカ自慢」的な側面もあったように思われます。
「あらゆる本が面白く読める方法」というよりは
「あらゆる本を面白く読むことができている私の考え方」というタイトルのほうが適切かと。
あと、著者が冠婚葬祭の会社を経営してるせいか、
話が若干スピリチュアルな方向に行きがちだったのも気になりました。
以上、読書術的なものを学びたかった私にとっては正直物足りなかったため、
評価は星3つと低めにしました。
■一般的見解
技術的な面でどうこうというよりも、著者の読書に対する情熱や愛情といったものに
共感したという声が多数見受けられました。
そこに刺激を受け読書に対する姿勢が変わったという声もあるほどで、
評価は比較的高いようです。
■総括
年間700冊もの本を読む著者の思想や技術、体験談を噛み砕いて説明してくれています。
ただ、良くも悪くもいわゆる「速読本」や「読書技術本」ではないので、
そこを勘違いして読むと損をした気分になります(私の場合はそうでした)。
読書の意味、古典の存在意義といったものに対する著者の意見に興味があれば、
一読の価値はあると思います。
著者の本に対する思いに憧れる
★★★★☆
本書では具体的な読書の方法にまで言及していますが、
何より著者の本への愛情に刺激されました。
読んでるこちらの「読書欲」を見事に刺激してくれます。
もっと本が読みたい、そんな気持ちになれる本です。
私は本を読んでも頭に入らない、身に付かない、
★★★★★
頑張って読破してもただ読み終えたという事実だけで、
本当に役立たせることができるのかわからないという人間でした。
でもこの本を読んで少し楽になりました。
今までは本の全てを理解しなくちゃいけないだとか、
すぐにでも自分のものにしなくちゃいけないなどと考えながら読んでいました。
本には面白く読む方法、楽しむ方法があるんです。
本に対する気持ちが一新され、またまた本を読む楽しみが増えました。